飛行機の運航方法の1つとしてコードシェアと呼ばれるものがあります。
これは1つの飛行機を複数の航空会社で共同運航する仕組みです。
コードシェアには様々な形式がありますが、1社が機材や乗務員などの
リソースを提供し、もう1社がサービス面を提供するというやり方が多い。
そして座席そのものはその比率に応じて配分する仕組みとなる。
では、コードシェアについて近年どのような変貌を遂げているか、
詳細に見てみましょう。
■変わりつつあるコードシェア
最近のコードシェアでみられるようになってきたのが、航空会社1社が
機材を含めすべてのサービスを含めたリソースを提供し、
別の1社が便名だけをシェアして座席を配分する方式です。
便名だけをシェアして座席を配分するということは、
すべてのリソースを用意する側の航空会社にはメリットがないように見えるが、
そうではなく便名をシェアさせることによる利益を得ているのです。
■コードシェアが始まった理由
コードシェア始まった理由は、例えば国際線などで1つの路線を複数の
航空会社が運営すれば、供給が増えるのでそれだけ需要が分散してしまいます。
需要がそれほど見込めない場所にもかかわらず、複数を運営すれば
お互いにとって損になってしまうため、便数を減らしてシェアするのです。
この動きは1986年ごろより始まったとされており、2社が共同運営することによって
コスト削減につなげているのです。
航空会社にとってはできる限りコストを削減することが、利益に直結するため
このような動きをする会社が増えてきたのです。
■コードシェアは乗客にとっては不便もある
航空会社にとってコードシェアはコスト削減になるので大きなメリットがありますが、
利用する乗客にとっては不便な点があります。
それは同じ便のチケットを二つの航空会社が販売することになるので、
航空会社ごとにチケットを発券し搭乗手続きを取らなければならない。
チェックインカウンターに並んでいて自分の番がきたのに、
実は別のカウンターに並ばなければならないということも起こりえる。
また、日本の航空会社と海外の航空会社がコードシェアしている場合、
日本の航空会社のチケット分であれば問題ありませんが、海外の航空会社の
チケットになると日本語が通じないといったケースもあります。
さらに、日本側が便名だけをシェアしている状態では、乗務員が日本人ではないため
機内での日本語によるサービスが受けられないこともあります。
このように航空会社にとってはメリットがあるものの、乗客には
デメリットもあるため、一度コードシェアを利用して不便を感じた乗客が
その航空会社から離れてしまうという事態も起こっているようです。
■コードシェアの場合はあらかじめ確認しておこう
日本人が日本の航空会社で搭乗したのに、乗務員が外人だったとならないように
事前にコードシェアされている場合の状態について確認しておきましょう。
間違って日本と海外の航空会社がコードシェアしている飛行機に乗ってしまわないように、
乗客側が注意しておくべき事態となっているのです。
英語が堪能であれば問題はありませんが、万が一の事態が発生した際に
日本語が通じないとなれば命に係わることになってしまうからです。
このあたりは航空会社側の対応が求められる部分ではないかと思います。