日本のLCCは今後どうなる?

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日本におけるLCC規制緩和の流れ

2000年2月に日本は国内航空市場の自由化に踏み切りました。
そして運賃の設定や参入撤退の自由化が完了しましたが首都圏の発着枠不足が障害になり、新規参入が難しく新規航空会社の経営が軌道に乗らないというLCCが発展するのが難しいということがありました。

 

2007年に安倍内閣が「アジア・ゲートウェイ構想」の中の「アジア・オープンスカイ」が打ち出されLCC参入促進による利用者のメリット拡大が大きく促進しようとしています。

 

2010年には今までLCCの重要性にあまり増えてこなかった政府も「国土交通省製作集2010」を政策化しておりLCC専用ターミナルの整備、技術規制の緩和、着陸料体系の再構築など環境の整備がゾクゾクと進められています。

 

成田や関空などの拠点空港では低コストで利用できるLCCターミナルが作られ外国籍運航乗務員活用、小型機優遇の着陸料体系の再構築。
そして低料金で飛行機に乗れるという需要の多さから日本でもLCCへの注目、関心、利用率は高くなってきています。

 

同時に政府はアジア諸国との首都圏空港を含めたオープンスカイを積極推進しています。
今後はますますLCCの参入促進が図られることは確実です。
航空規制緩和により「誰もが大空へ」の時代が日本にも訪れようとしています。

 

大手航空会社しか選択肢がなかった時代は終わりました。私達にはLCCという選択肢が増えつつあるのです。

世界中のLCCが日本に参入してきている

中国の春秋航空が茨城空港に就航したのは2010年7月です。
茨城と上海間を片道4000円で運航しています。

 

同12月にはアジア最大のLCC会社、エアアジアXが羽田空港に就航しました。
こちらはキャンペーン運賃であったものの、羽田とクアラルンプール間が片道5000円という破格の値段です。
長距離バスと値段の変わらない運賃を導入することで、日本でのLCCは一気に定着をしました。
このため、2010年を日本の「LCC元年」と呼ぶ声が起こりました。

 

しかし実際のところ、日本に始めて乗りいれたLCCは春秋航空ではありません。
これより3年早い2007年にはオーストラリアのジェットスター航空が関西空港に就航して以来2010年12月末までに7社が国内空港に乗りいれているのです。

 

2015年2月現在では、バニラエアが成田と高雄間を就航していますし香港エクスプレスが成田と香港間を増便しています。
エアアジアXは成田とバンコク間を3月に増便を予定しタイガーエア台湾は成田と台北間を3月に就航予定となっています。

 

このほかにもインドネシア・エアアジアXがインドネシアが成田もしくは関空、Vエアーが台湾に2015年前半に就航予定となっています。

 

成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)はLCC各社に精力的に空港売込みを行い、徐々にその成果も見え初めています。
今後も様々なLCCが日本と世界各地を結ぶのは間違いないでしょう。

LCC時代の到来、日本の飛行機業界はどうなる?

日本にもLCCの波が押し寄せて来ましたが、今後日本の大手航空会社はどうなってしまうのでしょうか?
安さメインのLCCに負けて、大手航空会社は駆逐されてしまうのでしょうか?

 

日本人にとって飛行機に乗って旅行に行くのが特別なことではなくなったのは1970年代に入ってからです。
ボーイング747型に代表される大型旅客機の大量輸送時代がやってきてからです。
現在では海外旅行に行くのはそれほど珍しいものではなく、年に数回行くと言う人も少なくありません。

 

しかし、私達日本人にとって海外旅行が特別なイベントであるのは間違いありません。
それは欧米と違い島国というところに理由があるのかもしれません。

 

日本では海外旅行に行く時には必ず海を渡らないといけないため国内と海外の境目がとてもはっきりしています。
どの国へ行くにしても、日本語が公用語という国はありませんし休暇も自由に取得できないことが多いため、海外旅行に行くためには綿密な計画を立て
行かなくてはいけないという背景があります。

 

このため、海外旅行に特別な思いを抱いている人は多く、せっかく旅行に行くのだから安さよりもサービスや快適性を重視したいという人も少なくありません。
狭い機内や簡素な機内食よりも、ゆったりした機内で、手厚いサービスを受けたいと考えるのも不思議ではないのです。

 

また、日本には修学旅行という文化があります。
添乗員が率いる団体旅行などでは、LCCに乗りきれないような人数を載せられる大手航空機の得意分野です。
このため大手航空会社が完全に駆逐されることはまずないと考えられます。