なぜ旅客機の座席は4つのクラスにわけられているの?将来は立ち乗り席も導入か?

空港別にLCC全路線・時刻表・空席・運賃が検索できます

  LCC 旭川  LCC 新千歳  LCC 仙台

  LCC 成田  LCC 羽田  LCC 茨城

  LCC 名古屋  LCC 関空  LCC 神戸  LCC 高松

  LCC 北九州  LCC 福岡  LCC 熊本

  LCC 鹿児島  LCC 長崎  LCC 那覇  LCC 宮古

  LCC 国内線 一覧

飛行機は元々お金持ちの乗り物…つまり全席がファーストクラスだったのですが…

LCCの立席

現在、旅客機の座席クラスは以下の4種類に別れています。

 

  • ファーストクラス
  • ビジネスクラス
  • プレミアムエコノミークラス
  • エコノミークラス

 

しかし、かつてはクラスといえば一つしかなかったのです。
今で言うファーストクラスです。

 

その昔。
飛行機に乗るというのは一部のお金持ちしか乗れない高級な乗り物でした。
ですから、飛行機のクラスも高級な座席だけで問題なかったのです。
ところが航空機の大型化と共に座席数が増え、富裕層のみを対象としていると座席が余るようになってしまったのです。
そこで航空会社は空席で余った座席をリーズナブルな価格で提供できるようにエコノミークラスを誕生させました。
飛行機というとエコノミークラスが標準と思われがちですが、元々はファーストクラスから派生したのがエコノミークラスなのです。

 

次の登場したのがビジネスクラスです。
同じエコノミークラスの搭乗客のなかでも、正規料金に近いお金を払うビジネスマンと安価な価格で搭乗するツアー客に差をつけるためです。

 

さらにエコノミークラスの中でもちょっと料金に+αすることでのれるプレミアムエコノミークラスが生まれ、現在の4種類に落ち着きました。

 

もちろん、飛行機によっては4種類全ての座席がないものもあります。
その飛行機が就航する路線によって充実させたいクラスを備えた飛行機を選択するからです。

 

旅行客が多いような路線で比較的短い距離であればファーストクラスを選ぶ人もほとんどいないのでビジネスクラスとエコノミークラスの2種類しかない飛行機が飛ぶこともあります。
また朝便にはファーストクラスがあるけれど、夜便にはないということもあります。
その時々の乗客の傾向に合わせて選ばれるので。

 

またLCCと呼ばれる格安航空会社では基本的にエコノミークラスしか扱いません。
安く座席を提供するためにクラス分けという煩雑な作業はコストを損なうからです。

LCCが格安な理由はシートにあり

格安航空会社通称LCCですが、LCCが爆発的に発着便を増やして利用客を獲得できているのは何と言ってもその安さです。
レガシー航空会社では実現できない価格帯になっており、キャンペーンなどで半額以下になることも珍しいことではありません。

 

どうしてLCCが格安価格を提供できるのか、それは1回のフライトの乗客数を可能な限り増やしてその分だけ価格を抑えているからです。
乗客数を増やすと言っても、機体を大きくしたわけではなく安さの秘密はシートにあるのです。
レガシー航空会社のエコノミーシートの幅が80センチ以上あるのに対して、LCCは平均約71センチとなっていて、1割程度幅が狭くなっています。

 

シートの幅を狭くすることで座席数を増やし、価格を下げて乗車率を増やせば一人あたりの利益は小さくても薄利多売で利益を出すことができるのです。
同じボーイング737でもJALの座席数は176席なのに比べて、中国資本のLCCの春秋航空の場合は189席となっていて、13席も多くなっているのです。
ANAに至ってはプレミアムシートなどが影響して、167席となっている。

 

このようにLCCが格安で運行している一番の要因はシートの幅にあります。
他にも経費の節減などを徹底していることもありますが、狭い座席でも価格が安ければなんとか我慢できるという人にとっては、LCCの利用は外せないのは間違いありません。
更にLCCは特別キャンペーンなどを実施して、とんでもない破格の値段で運航することがありますので見逃せないのです。

近い将来「立席」が登場するかもしれない!?

飛行機の利益率を挙げたいなら、同じ空間にできるだけ多くの人を詰め込むことです。
そのためには一人あたりに必要な空間を減らすしかありません。
そんな究極の発想から生まれたのが「立席」です。

 

座れば床に対する接地面積が増えるので、乗せられる人員の数はどうしても少なくなります。
ところが満員電車のように客をたくさん立たせられれば、それだけ一度に多くの人を運べます。
立っていれば必要なスペースはぐっと少なくなるからです。

 

長距離をずっと立ちっぱなしというのは大変ですが1時間か1時間半程度の短い時間であれば「安いなら立ってるよ」、「安いなら我慢する」というお客さんもいるでしょう。
日頃から運動している人であれば1時間やそこら立っているのは大して大変な行為ではありません。

 

新幹線だってGWやお盆の帰省時期など混雑する時期であれば自由席に立ちっぱなし3時間なんていうのも珍しくない話ですよね。
空の旅だって座るということにこだわらなくてもよいのかもしれませんね。

 

もちろん立席といっても腰を固定する安全ベルトなどはありますし、楽に立っていられるように肘置きや腰掛けられる座席があるようです。

 

このプランを初めに構想したのは中国の春秋空港です。
しかし当局にこの構想を提出したところ安全性に問題があると却下されてしまいました。
次にアイルランドのラインエアが展示会でプランを発表していますが、こちらも安全性に問題があるとして実現には至っていません。
今後立席での安全性が確保されれば、立席が実現するかもしれませんね。