仕事に限らず、私たちは様々なシーンで、何かしらのアイディアを考えて企画をします。
プロジェクトのコンセプトを立てる、製品の売り込み方を考える、
友人の誕生日パーティーを企画する、忘年会での出し物を考える、文化祭の演劇のアイディアを出し合う……
規模の大きい、小さい、頻度の高い、低いはあっても
アイディアを出し合って、企画を立てるというのは誰でも行うことで、決して珍しいことではありません。
そしてそのアイディアが多くの人に支持されれば、そこから「それいいね!」と話がまとまり
実際に企画が立ち上がって動き出すことになります。
では、このアイディアはどんな発想で考えればいいのでしょうか?
絶対に失敗しないことを重要視。
全員が楽しめることが大事。
すでに成功例があることを真似する。
今はやってる◯◯に乗っかっちゃおう。
などなど、いろいろな考え方があるでしょう。
しかし、そうした無難なアイディアは大きな失敗はない代わりに、光るものにはなりません。
すでにどこかでやっていたり、注目度が集まらなかったり、スルーされてしまうことも多いでしょう。
LCCの中でも特に日本国内で知名度が高いのがピーチアビエーションです。
今までANA、JALと言った大手航空会社しか選択肢がなかったところに
ピーチが格安で路線をどんどん増やして行った結果、飛行機は我々にとってとても身近なものになりました。
ピーチが他の企業と大きく違うのは「やってみたらおもろいんちゃう?」を発想のベースにしているという点です。
例えば、ピーチは大阪の航空会社なので客室乗務員の挨拶が大阪弁です。
これも「おもろいんちゃう?」という発想から、実際に提案され採用されたアイディアです。
この他にも、乗客が「えっ!?これ『ナマズなの!?』と驚かせたら、おもろいんちゃう?」という発想で
採用された企画がうなぎ味のナマズ丼を機内食として提供するというものです。
また、新潟路線就航する際には、「コシヒカリを機内で売ったらおもろいんちゃう?」という発想から
米どころである新潟魚沼産のコシヒカリが機内販売に搭乗しました。
ピーチという航空会社がなぜ「おもろさ」を大切にしているかという
「早い×安い」では生まれない新しい価値が「早い×安い×おもろい」にはあると考えているからです。
人々はおもしろいもの、ワクワクするもの、ユニークなものが大好きです。
そして「おもしろい」という雰囲気は周囲の人にも自然と伝わって笑顔が広がっていきます。
なんだか面白そうなことをやっているぞと誰かが注目すれば、人々の気持ちは自然とそこへ向かっていきます。
航空会社は形のないサービスを中心に取り扱います。
客室乗務員の働きも、飛行機による輸送も、そのままでは何の面白みもありません。
「早い×安い」が売りのLCCですが、それにさらに「おもろい」を加えることで
会社全体の雰囲気が「おもろい」となり、企業文化になっていくと考えているのです。