空を飛ぶ飛行機には、車のように道が存在していません。
車であれば道があり、道路標識があり、迷うことはないでしょう。
しかし飛行機も定刻通りに到着しています。
これは飛行機に機長が好きなコースを飛んで時間の帳尻を
合わせている訳ではありません。
決められた航空路に沿って飛んでいるのです。
この飛行機の道である航空路は、世界共通で決められたルールがあり
幅8キロメートル、高さ300メートル以上の一定の高度と間隔を持たなければなりません。
定められた航空路があるからこそ、飛行機は迷子にならず
決まった時間で行先にたどり着くことができるのです。
■対向する飛行機の間隔にも決まりがある
飛行機同士が航路の中をすれ違うことがあります。
すれ違うと言っても、車のように近くを通るわけではなく
その間隔も決められています。
高度2万9000フィートまでは1000フィートの高度差、
それ以上のたかさになると2000フィートの高低差を持つように、
航空路は定められています。
車は左右ですれ違いますが、飛行機の場合は上下
つまり高低差であり立体交差担っているのです。
これによってすれ違っても、衝突することがないのです。
■航空路はどのように設定されるのか
航空路は超短波全方向四季無線標識(VOR)という、無線施設を結んだ
道で成り立っています。
機長はVORから出る電波を頼りに、旅客機の現在位置を把握します。
VORで作られる航空路は幅14.8キロメートルあり、
これをビクター航空路と読んでいます。
なお、洋上にある国際空路に関してはVORの使用が制限されるので、
幅が広めの航空路を設定しています。
ものによっては幅90キロメートルや180キロメートルという
大規模な幅を持つ航空路も存在しています。
■航空路にも名前がある
航空路にも道路と同じように、路線に対して名前が付けられています。
東名高速道路や1号線といったような道路名と同じ要領です。
国際航空路の場合は、A、B、G、Rのどれか一文字と
3桁の記号を組み合わせたものとなる。
国内航空路の場合は、V、Wいずれかの一文字と、
数字を組み合わせて作っています。
このように空にも道が存在していて、それは目には見えないものの
飛行機からはしっかりと見えていると言っても過言ではありません。
その道の中を飛行機は飛んでいるのです。
今度、空に飛行機を見つけた場合は、あの辺りに道があるんだなぁと
考えてみるのも楽しいかもしれませんね。
■まとめ
空には目印となるものが無いからこそ、逆に言えばしっかりとした
管制官による指示や航空路の設定が欠かせないことが分かりました。
好き放題飛んでいたのでは、乗っている方も安心できませんし
空中で衝突してしまうような大事故にもなりかねません。
普段何気なく使っている飛行機ですが、このように細かな仕組みがあって
国際標準が定められていることが分かりました。