航空整備士の仕事は大きく分けて3つ存在しています。
単純に飛行機を整備すればよいというわけではありません。
まず整備士になるためには、国家試験に合格しなければならず、
2等と1等の航空整備士だけが、飛行機を整備できるのです。
では、航空整備士の仕事内容について、細かく見てみましょう。
■運航整備(ライン整備)
航空整備士の作業として、運航整備(ライン整備)があります。
これは飛行機が空港に到着して、次のフライトに向かうまでの間
1~2時間の間に機体の状態をチェックする作業です。
1つの機体に対して3人ほどで行います。
他にも200~600時間飛行した飛行機の場合は、夜の時間を使って
10人ほどが一晩中かかりっきりで点検する定期整備作業もあります。
■機体整備(ドック誠意)
もう1つは機体整備(ドック誠意)作業です。
これは3000~6000時間飛行した機体や、運航から4~5年経過した機体を
1週間~1か月かけてじっくりと点検します。
数十人の整備士が対応にあたり、飛行機の各パーツを
バラバラに分解して点検します。
■工場整備(ショップ整備)
最後に工場整備(ショップ整備)という作業があります。
これは問題が見つかった装備品を、専用工場で修理する作業です。
問題がどこにあるのか、修理結果が正しいかどうかなど
正常動作するかどうか点検する作業も含まれています。
■整備には国家資格が必要、かつ機種毎にも必要
冒頭に述べたように、飛行機を整備するためには
国家資格に合格した2等、ないし1等の航空整備士だけです。
1等航空整備士は旅客機のような大型機の整備も担当します。
しかし航空整備士であっても、全機種の整備責任者になれるわけではなく
機種毎に定められた資格が必要になります。
例えばボーイング747の整備資格を持っていても、その後で出た
ボーイング777の整備責任者にはなれません。
ボーイング777の整備責任者になるためには、この機種専用の資格が必要になるのです。
■どうして機種毎に資格が必要なのか
ではどうして機種毎に資格が必要になるのでしょうか。
どの機種もそれほど違いがないように見えますが、
実は機種によって使われている技術が異なるために、
それに対応したスキルが求められるのです。
そのため航空整備士は常に最新技術に対応していく必要があり、
日々の業務はもちろん、それ以外の学習もしなければなりません。
このようにして整備に至るまで非常に厳しい基準が設けられており、
それを守っていくことで空の安心、安全が保たれていると言えるでしょう。
航空整備士に対するイメージが変わったという人が多いと思います。
それだけ飛行機を整備するということは、重要度が高いと言えますね。
今後、空港で駐機されている飛行機の周りで整備している人を見かけたら、
すごい人たちなんだな、ありがたいなぁと感謝の念を忘れないでいたいものです。