飛行機は事故発生による緊急脱出時の「90秒ルール」があります。
2007年8月に乗客165人を乗せた中華航空機が、那覇空港に着陸した際に
爆発炎上する事故がありましたが、危機一髪乗客乗員が脱出しました。
記憶に新しいところでは、今年2004年1月2日に羽田空港で発生した、
JAL機の接触爆発炎上事故がありました。
こちらも的確な誘導により、JAL機側には死者が出ていません。
いずれも「90秒ルール」によって生死を分けたと言われています。
それでは、どうして「90秒ルール」が大事なのか詳しく見てみましょう。
■「90秒ルール」とは
「90秒ルール」とは、旅客機における火災発生時のルールで、
機内にある全非常口の半数の出口を使用して90秒以内に
全乗客乗員が脱出することを意味します。
なぜ半数の出口なのか?全部じゃダメなの?と疑問に思うでしょう。
それには理由があり、火災によって全部の非常口が使えるとは限らないためです。
これは航空機メーカーに義務付けられた国際的なルールで、
定員が500名を超えるような大型旅客機でも同じルールが適用されます。
■どうして90秒なのか
90秒と設定されているのは理由があります。
それは飛行機が火災事故を起こすと、発生から2、3分後には
爆発してしまうケースが多いからです。
ちなみに脱出検査といのがあるが、こちらも90秒以内に
脱出できないと検査をパスできません。
■脱出に使われるのが「エスケープスライド」
どのように脱出するかというと、非常口に設置されている
滑り台のような「エスケープスライド」を使って脱出します。
他にも飛行機は必ず地上に着陸するとは限らず、海上などに
落ちることあるので、それを想定し脱出用の「救命ボート」があります。
なお、救命ボートには漂流することを想定して、
水、食料、テントなど非常用のアイテムが装備されています。
■旅客機にはこれら以外にも非常時のアイテムがある
旅客機には様々な非常時に使えるアイテムがあります。
消火器、医療品、救命胴衣、酸素マスクなどが代表的な装備品です。
緊急時には、客室乗務員が保安要員となって事故発生時には
速やかに乗客を誘導できるような教育が徹底されているのです。
■非常時も冷静に行動しなければならない
飛行機で火災が起こるなど、これはもう超非常事態と考えていいです。
そんな非常事態であっても、乗務員だけでなく乗客も含めて
冷静に行動しなければなりません。
もし1人でもパニックになれば、周りの人に伝染してしまい
いたるところで集団パニック状態になってしまい、脱出できるものも脱出できず
死傷者がでてしまうことでしょう。
死ぬかもしれない!というときに冷静に行動するのは難しいです。
しかしそれができないと90秒ルールがあっても、守ることができません。
飛行機の安全、安心は乗客も一緒になって作り上げるのです。