飛行機に乗ると、座席の配置や機内で使われる言葉など
普段はあまり気にしない部分にもさまざまな工夫があることに気づきます。
エコノミークラスの座席数や座席番号、快適な席の選び方
そして「ボーディング」という言葉の由来まで
旅客機にまつわる意外な疑問を見ていきましょう。
■エコノミークラスの座席が減っているのはなぜ?
近年の旅客機では、座席クラスの構成に変化が見られます。
エコノミークラスの座席を減らし
その分、ビジネスクラスなどの座席を増やす機体があるのです。
その背景には、座席1席あたりの収益性があります。
ビジネスクラスはエコノミークラスより運賃が大幅に高くなる一方
必要なスペースは運賃ほど大きくは増えません。
そのため、限られた機内スペースから得られる収益を考えると
ビジネスクラスの座席を増やす意味が生まれます。
また、かつては最上級だったファーストクラスを廃止し
ビジネスクラスを充実させる航空会社もあります。
現在のビジネスクラスには、座席をほぼベッドのように倒せるものなど
以前のファーストクラスに近い設備を備えたものもあります。
ファーストクラスは1席あたりに必要なスペースが大きいうえ、利用者も限られます。
そのため、ファーストクラスを縮小してビジネスクラスを増やすことで
より多くの需要に対応しようという考え方もあります。
ただし、座席構成はすべての航空会社や路線で同じではありません。
ビジネス需要が多い路線なのか、価格を抑えた旅行客が多い路線なのかなどによって
最適な座席配置は変わります。
■「H」の隣が「I」ではなく「J」なのはなぜ?
飛行機の座席番号を見ると、アルファベットが順番どおりに並んでいないことがあります。
たとえば「H」の次が「J」になっていて、「I」が抜かれているケースです。
これは、アルファベットの「I」が数字の「1」と似ていて
座席番号を読み間違える可能性があるためです。
航空機では、座席番号を搭乗券や案内表示などで確認する機会が多いため
少しでも混乱を避けられるよう、似た文字を意図的に使わないことがあります。
ただし、座席番号の付け方には航空会社や機種による違いがあります。
すべての旅客機で同じルールが採用されているわけではありません。
■エコノミークラスで快適なのはどのあたり?
一般的には、機内前方の座席は比較的静かで、乗り降りもしやすいという利点があります。
エンジンから離れているため、後方の座席より騒音や振動が気になりにくい場合もあります。
さらに、機内食やドリンクのサービスは前方から始まることが多いため
早めにサービスを受けられるというメリットもあります。
一方、後方の座席はトイレに近い場合があり、人の往来が気になることがあります。
ただし、空席が多い便なら、後方の座席で隣が空いているということもあります。
つまり「最も快適な席」は、静かさを重視するのか、乗り降りのしやすさを優先するのか
隣席の空きやすさを重視するのかによっても変わります。
■なぜ飛行機に乗ることを「ボーディング」という?
搭乗を意味する「boarding」は、「board」という言葉から来ています。
現在では飛行機への搭乗を指しますが
もともとは船に乗り込む際にも使われていた言葉です。
「board」には板という意味があり、船に乗り込むための板を渡ることから
乗り物に乗ることを表す言葉として使われるようになりました。
その名残は航空業界のさまざまなところにあります。
「welcome aboard」という表現もその一つで
「 aboard」は乗り物に乗っている状態を表します。
さらに、航空機を「ship」と呼ぶことがあったり
機長を「captain」、乗務員を「crew」と呼んだりするのも
航空業界に船舶用語が数多く受け継がれているためです。
空を飛ぶ乗り物なのに、言葉の世界では意外なほど「船」の名残が残っているのです。










