空港では自動化・省力化が進んでいますが、主要空港では数万人の人が働いていますし
小さな空港でも私達が考える以上に人が働いています。
なぜなら、私達が普通に空港を利用する際に目にする職員は本当に一部の人だけだからです。
私達の視界に入らないところで、その数倍の人が空港で働いています。
実は空港で働く人と言っても、空港ターミナル会社の社員はほとんどいません。
空港ターミナル会社はターミナルを管理する不動産賃貸業に近いため
乗客の視界に入るようなところで目にすることはまずありません。
多くの場合、実際に「空港で働く人」として接するのはテナントとして入居している、航空会社や店舗スタッフです。
空港は少し独特の営業形態をしています。
空港と似た施設に鉄道会社があります。
鉄道会社の場合、駅自体も、その路線を運行する鉄道会社が所有しており
駅の職員=鉄道会社の職員です。
しかし空港はそうではありません。
空港自体は空港ターミナル会社が所有しており、各航空会社は使用料を支払って
空港を利用しているため、空港自体は多くの企業が共有する施設なのです。
世界では当たり前になっている空港オペレーターが日本で成立しにくいのは
空港を利用している企業の数が膨大になってしまうからです。
滑走路、管制、空港ターミナルは国や自治体、民間企業が出資して作った第三セクターが運営しています。
最も目につく各航空会社のチェックインカウンターで働くスタッフは航空会社やそのグループ会社の職員です。
航空会社の総合職では入社して数年は空港カウンターに配属させることが多いです。
また、空港のセキュリティゲートで手荷物検査をしてくれるのは空港警備・保安会社の社員です。
航空会社の社員ではなく、空港警備・保安会社に保安検査業務を委託している形です。
空港会社内のショップ及びサービス施設はテナントです。
店員はそれぞれの店舗の従業員です。
このように働いている人もエリア、職種によって所属する組織は別々です。
空港で働いている=航空会社の人という認識でいる人が多いかもしれませんが
航空会社に所属する人は本当に少しなのです。