LCCのシートピッチは狭い
LCCは基本、エコノミークラスのみのモノクラス制です。そして、日本発着便を含め世界のLCCの大半が、短距離路線となっています。
そのため運航機材は、エアバスA320シリーズやボーイング737シリーズが主流です。座席配列は、既存の大手航空会社の同型機と同じ、3-3席となっています。しかし、前後の座席間隔(シートピッチ)は既存の大手航空会社とは違い、多くの場合、狭いです。
一般的に既存の大手航空会社の国際線では、エコノミークラスの座席間隔が少なくとも31インチ(約79cm)以上。それに対して日本就航のLCCのエコノミークラスは、広くても31前後、狭いと28インチ(約71cm)なのです。エコノミークラスの場合、大手でも足元は狭めですが、LCCはさらにそれよりも狭いことになります。
LCCはリクライニング角度も浅い
LCCの多くは、座席間隔が狭いです。そのため、リクライニング角度も一般的な既存の大手航空会社と比べて浅くなる傾向があります。
中には、ライアンエアー(欧州最大のLCC)の一部機材のように、リクライニング機能自体が付いていないものまで存在します。また、ヘッドレストを備え付けていないLCCも少なくありません。もちろん、フットレスト(足置き)は期待できません。
ちなみに、LCCの多くは通路が1本の機材(エアバスA320シリーズやボーイング737シリーズ)を使用していますが、中には通路が2本のワイドボディ機を採用しているところもあります。
日本就航のLCCでいえば、ジェットスター航空とエアアジアXです。いずれもエアバスA330シリーズを使用しています。A330シリーズの場合、既存の大手航空会社のエコノミークラスでは、2-4-2の座席配列にほぼ統一されています。
そして、ジェットスター航空も、大手と同じ2-4-2配列を採用しています。それに対してエアアジアXでは、3-3-3の座席配列を採用。横1席分多いため、座席幅が狭くなっています。
足元の広い座席は意外と狙い目
LCCはあらゆるサービスを有料にしていますが、座席指定もその一つです。
そして料金は、普通の座席と非常口列や最前列などの足元の広い座席(エクストラ・レッグルーム・シートなどとも言う)では、異なる場合がほとんどです。
言うまでもなく足元の広い座席の方が料金は高いわけですが、それほど割高になるわけではありません。
ちなみに、ジェットスターグループのエアバスA320とA321では、足元の広さが約20cmも違うと言われています。
ですから、中距離路線のフライトでは、追加料金を支払うだけの価値はあるでしょう。
ちなみにエアアジアXでは、普通のエコノミークラスの座席は完全満席なのに、ホットシート(最前列の足元の広い席)はどのキャビンでも全て空席だったことがあるようです。
そもそもLCCを利用する人はコスト意識が高く、「追加料金を支払ってまで足元の広い席に座りたくない」と考えるのが一般的でしょう。
しかし中距離路線では、少なめの追加料金で足元の広い席を独占できるのだから、リーズナブルではないでしょうか?
ただ、もし独占できたとしても、最前列の席はアームレストが動きません。フルフラットベッドにはならないのでご留意を。