飛行ルートはどのようにして決まっているか知っていますか?
機長が好きなように航空機を飛ばしていいわけではありません。
そんなことをしてしまうと、上空で衝突事故が起きてしまいかねませんね。
とすると飛行ルートとはいつも同じ決まったルートを飛んでいるか?というと、
それはまた違いますという答えになります。
では、どのようにして飛行ルートが決められているのか、
細かい部分を見てみましょう。
■さまざまな条件を考慮して決める
飛行ルートはさまざまな条件を考慮して決定します。
例えば、偏西風などの季節特融の気象条件や、当日の天候、
他の旅客機の運用状況、フライト先までの距離などがあります。
最短距離を選んでいるのではなく、最適な距離を選びます。
このように1回のフライト単位で運用計画を立てる人のことを、
「ディスパッチャー」と呼びます。
■ディスパッチャーの役割
ディスパッチャーは、出発地、目的地、気象などを細かく調べ
安全で効率の良い飛行ルートを見定める役割を担っています。
その上で燃料、荷物重量や位置などを把握し計算にいれながら
フライトプランを作成していきます。
フライトプランとは飛行ルートだけでなく、高度、距離、時間、
燃料の消費率、風速なども数値化したものを示すほど細かく分析計画されています。
■フライトプランをもとに最終的な決定を行う
ディスパッチャーは作成したフライトプランをもとに、パイロットと
打ち合わせを行い、計画書に基づいてルート策定にあたっての理由を
1つ1つパイロットに説明します。
この結果、フライトプランをパイロットが最終的に承認したものを、
決定事項とする手順となります。
もしパイロットがフライトプランに難色を示し、承認しなければ
もうフライトプランの再作成という形で差し戻しになります。
■運航の中止判断もディスパッチャーが行う
急な悪天候などで運航の中止を判断するのもディスパッチャーの仕事です。
そのため、責任は重大で離陸後も無線で気象情報や上空の様子を、
確認しながら必要に応じてルート変更を指示しています。
そのため、ディスパッチャーの仕事はフライトプランを作成して終わりではなく、
飛行機が離陸し目的地に到着するまでさまざまな点に注意するのが仕事で、
最後の最後まで気が抜けない大変な仕事なのです。
■ディスパッチャーは「地上のパイロット」
実際に飛行機を運行するのはパイロットの役割ですが、
ディスパッチャーはパイロットを地上からフォローし続けるという意味で、
「地上のパイロット」とも呼ばれています。
飛行機というのは単純に飛んで目的地に到着しているように見えますが、
このように地上で待機しつつ仕事をしている地上組による
緻密な計画やフォローによって成り立っているのです。
まさに安心、安全な運航は地上と上空の連携があってこそ
可能となるといえるでしょう。