機長や副操縦士を機内で見かけることは殆んどありません。
というか見たことがある人の方が少ないでしょう。
基本的にコックピット内での作業となるので、乗客のいる場所で
見かけないのは当然の事ではあります。
では、機長や副操縦士はトイレをどのように処理しているのでしょうか。
■コックピットの中にトイレは存在しない
当然ですが、パイロットも食事をするのでトイレに行きたくなります。
しかし乗客のいる場所で見かけたことがないということは、
パイロット用の専用トイレがコックピット内にあるのかというと、
そのような専用トイレはコックピット内には存在しません。
ではパイロットはトイレをどう処理しているのか。
それはキャビン前部にあるコックピットの一番近い乗客用トイレを使用しています。
乗客用トイレを使用しているのに、パイロットがトイレ待ちで並んでいる光景は
見たことがありません。
何故ならば、パイロットはトイレに誰もいないタイミングを見て
トイレに入っているからなのです。
■使用中トイレかどうかを見分ける
トイレが使用中かどうかを物陰から見て、誰もいない事を確認してから
使用している訳ではありません。
コックピットには、トイレが使用中かどうかを示すランプがあり、
未使用中を確認してからパイロットがトイレを使用しているのです。
それでもタイミングによっては他の乗客と鉢合わせになることも、
可能性としてはないとは言えない。
それでも乗客と同じタイミングにならないのは、コックピットのドアに
小さな窓がついており、そののぞきレンズから外の様子をみているから、
乗客と鉢合わせになることがないのです。
この小さな窓は、トイレをチェックするために設けられたものではなく
直径1センチ程の小さなのぞき穴で、コックピットに入ろうとするものを
中からチェックするためのものなのです。
■使用中ランプがついている時から待機する
トイレ使用中のランプが点灯しているタイミングでのぞき穴から、
外の様子を確認し、順番待ちしている人がいなければ
トイレを使用している人が出たタイミングで素早くトイレに駆け込みます。
もし順番待ちしていれば、しばらく時間がたってから
再びのぞき穴から外の様子をチェックしてトイレに入っているのです。
このようにすることで、乗客と鉢合わせすることなく
トイレを利用しているのです。
■パイロットにとっては不便
コックピット内にトイレがあれば、このような使い方をしなくてもいいのですが
コックピット内は計器類など飛行機の運行に必要なもので占められており、
トイレを設置するだけのスペースがありません。
そのため、やむを得ずこのような方法でトイレをする形になっているのです。