2012年画期的な運賃体系を取り入れた航空会社があります。
「運賃は荷物も含めた”量り売り”で決められ、軽ければ軽いほどお得」
とキャッチフレーズで世界初の「体重別運賃制」を採用したのが、
島しょ国であるサモアにあるサモア航空です。
世界中のメディアがこのニュースに飛びついて、
「高騰する燃料代に対処するため一考に値する」などと報じられました。
中には「プライバシーへの配慮に問題がある」とするメディアも見られました。
世界初ということもあり、賛否を巻き起こすこととなったのです。
■サモア航空とは
サモア航空は南太平洋の島々を結ぶローカル航空会社で、
国内線だけでなく国際線も存在しています。
そんなサモア航空は2012年に「体重別運賃制」を導入し、
2013年の4月には国際線んでも導入しました。
■「体重別運賃制」の仕組み
体重別運賃制の料金体系がどのようになっているかは、
チェックイン時に乗客と荷物の重さを測定したのち、
行先別に定められている「キロ当たり単価」をベースにして
全体の料金を算出します。
以上に明朗な料金体系となっており、利用者が混乱することはありませんでした。
■健康増進に役立てられる
サモア航空がこのような運賃制にしてのには訳があります。
WHOによるとサモアの肥満率は世界でもトップクラスとされており、
さらにサモアだけでなく南太平洋の周辺国では肥満の人々の割合が多く見られたことから、
肥満による疾病などの増加を懸念してのことでした。
もちろん体重別運賃制にしたのは、燃料高騰などへの対処もありますが
もともとの肥満が問題として根本に含まれていると言えるでしょう。
体重性運賃制の導入後、「肥満体質な人への差別を助長する」との批判が一部起こりましたが、
乗客の反応は悪くありませんでした。
またサモア保険省としても、体重別運賃制が健康増進に役立つとして
今後の肥満解消の一助としての役割が考えられるとしているほどです。
■世界的に広がるかは未知数
「体重別運賃制」が世界的に広がるかは未知数ですが、
LCCにおいては手荷物の重量制限を行うことを標準としています。
一定の重量を超える場合に追加料金が発生する仕組みをとっていて、
これは「体重別運賃制」を参考にしていると言ってもいいでしょう。
今のところ手荷物がメインに考えられていますが、この仕組みを発展させれば
体重別での運賃制になる可能性も否定はできません。