アライバル業務あるある:ロストバゲージという悪夢

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空港でスーツケースを預けたはずなのに、目的地に着いても自分の荷物が現れない
――そんな事態が「ロストバゲージ」です。海外旅行や国際出張などで
発生するこのトラブルには、旅客もスタッフも神経を尖らせる深刻な事情があります。

■ベルトに現れない荷物と、襲い来る不安
空港に到着し、手荷物受取場でスーツケースが出てくるのをじっと待つ。
だが、周囲の乗客が次々と荷物を受け取り去っていく中
最後まで自分の荷物が出てこない――この焦りと不安
そして呆然と立ち尽くす瞬間は、一度でも経験すると忘れられません。

私自身、過去に海外で2度この「ロストバゲージ」の洗礼を受けたことがあります。
仕事道具一式を詰めたバッグが届かず
そのまま会議に直行しなければならなかったときの絶望感。
あるいは、深夜にホテルに向かうも、下着すら手元にない状況での不安。
たかが荷物、されど荷物――旅の計画が一気に狂うのです。

■なぜ荷物が消えてしまうのか?主な原因とは
空港スタッフによると、ロストバゲージにはいくつかの典型的な原因があるそうです。

まず多いのは、預けた荷物のタグ(荷物情報のバーコード)が途中で剥がれてしまい
どの便に搭載すべきかわからなくなるケース。
次に、国際線の乗り継ぎなどで接続時間が短く、
荷物の積み替えが間に合わなかったという時間的な問題。

また、システムの読み取りミスで別の便に誤って載せられてしまうこともあれば、
到着後、他の乗客が似たようなスーツケースと取り違えて持ち帰ってしまう
「クロスピック」と呼ばれるケースもあります。

最後のケースでは、ベルトコンベアに残された「似て非なる荷物」が唯一の手がかり。
タグ番号から所有者を照会し、航空券の情報と照合して連絡を取るなど、
地道な作業が必要になります。

■スタッフの対応に求められるスピードと誠意
ロストバゲージが発覚すると、グランドスタッフは即座に調査を開始します。
荷物の特徴、色、ブランド、サイズなどを聞き取り
それをもとに出発地や経由地のスタッフと連携。関連するシステムを使って
行方不明の荷物がどこかで登録されていないかを確認します。

お客様の怒りや不安は当然のもの。
特に長旅の末にこうしたトラブルに直面すれば、誰だって苛立ちます。だからこそ、スタッフはできる限り早く、そして丁寧に対応することを最優先にしています。

場合によっては、航空会社側のミスと認められた場合
必要最低限の衣類や日用品の購入費用として、一定額の現金をお渡しすることも。
また、荷物が後日見つかれば、スタッフや上司が自ら菓子折りを携えて
お客様のもとにお届けすることもあります。

■失われた信頼をどう取り戻すか
ロストバゲージは、たったひとつの荷物の不在が
旅全体の印象を左右するほどのインパクトを持っています。
航空会社にとっては、信頼を回復するための試練でもあります。

一度の失敗が乗客に強烈な印象を残すからこそ
スタッフ一人ひとりが「何ができるか」「どうすれば安心していただけるか」を
常に考えて行動しているのです。