よく戦闘機などの飛行機では、航空自衛隊などの航空ショーで
アクロバティック飛行を拝むことができます。
戦闘機の場合、訓練されたパイロットであれば、
垂直旋回や背面飛行ができるので見ている側も凄く楽しむことができます。
■旅客機でも背面飛行はできる?!
結論から言えば、旅客機では背面飛行や垂直旋回などの
アクロバティック飛行はいくらパイロットの腕が良くても、
物理的に不可能な設計になっています。
背面飛行や垂直旋回をするためには、機体を左右に大きく傾ける必要があるが、
旅客機の場合はその角度に限界値が法律で定められており、
旅客機の種類によってことなるが60度ほどまでしか傾かないようになっており、
通常運行時は35度ほどになっている。
その角度では旋回や背面飛行はできない。
戦闘機の場合は、左右の傾きを90度以上にすることができるので、
腕がよければ背面飛行や垂直旋回ができるのである。
■旅客機は人を乗せて運ぶことが前提
旅客機はその名の通り、旅客を乗せて運ぶ飛行機です。
ですから、安全を第一に考えて設計されているので、
アクロバティック飛行ができないのは当然と言える。
万が一、エンジンが故障してしまったらさすがに旅客機でも
もの凄い揺れになる。
それでも背面飛行のようなことは起こらないようになっている。
逆に戦闘機は、誰かを乗せて運ぶことが目的ではなく
いかに素早く小回りが利く動きをして相手をせん滅するかが目的なので、
いざという時には背面飛行や垂直旋回も可能でなければならない。
■旅客機はかかるGも低い
旅客機は通常運行している際に係る重力(G)は2.5G程度であり、
乗客の安全を考慮した設計になっている。
1Gは普段地上で受ける重力の強さで、2.5Gとはそれの2.5倍になる。
これが戦闘機になると、最大で9G以上にもなる。
訓練されていない一般人であれば失神したり脇腹を骨折するレベルとなる。
旅客機に比べて期待が小さいからこそ、耐えられるGとも言える。
もし旅客機でそのような高いGが掛かれば、乗客は一瞬で気絶してしまうだろう。
■まとめ
このように旅客機は戦闘機のようなアクロバティック飛行はできない。
それはできなくて当然と言えるでしょう。
目的が全く違うので、当たり前の話なのです。