アライバル業務あるある:忘れ物とグランドスタッフの奮闘

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空港で預けた荷物を受け取るターンテーブル周辺では
乗客が降機後に「忘れ物をした」と訴えることがあります。
乗客の忘れ物を探す作業はしばしば迅速な対応が求められ
時には運命的な巡り合わせを感じることも。
私自身、グランドスタッフとしての経験を活かし、
忘れ物を取り戻した驚きの体験を通じて、その重要さを実感しました。

■乗客の忘れ物対応:迅速かつ柔軟な対応が鍵
空港でロストバゲージの対応をしていると、時折、乗客から
「機内に何かを忘れてしまった」という申し出を受けることがあります。
多くのケースでは、忘れ物が搭乗した飛行機の座席内に残っているため
まずは乗客が持っている搭乗券を元に、座席番号を控えます。
その後、機内清掃を担当しているスタッフに連絡を取り、清掃が終了している場合でも、
システムにデータを入力して忘れ物の詳細を追跡します。
これにより、大抵は無事に忘れ物を発見することができます。

しかし、たとえシステムに頼っても、忘れ物の回収には時間がかかる場合もあります。
機内清掃のタイミングやフライトの本数、そしてその後の処理方法によって、
状況は大きく異なるからです。

■私が経験した「奇跡」の瞬間
私自身が経験した、忘れ物にまつわる「奇跡」の話があります。
数年前、アメリカ国内線のフライトでiPodを機内に忘れてしまったことに気づきました。
慌てて航空会社に連絡したものの、膨大なフライト数を誇るアメリカの空港では
日本のように迅速な対応は望めませんでした。
そこで、私は元グランドスタッフとしての経験をフル活用し
その便がどのように運航されるのかを予想して調べました。

私は、その航空機がその日ロサンゼルスのターミナルに戻るタイミングで、
忘れ物を回収できる可能性が高いと考え、翌日、ターミナルに足を運びました。
そして、十数人いるグランドスタッフの中から
ベテランスタッフに声をかけてお願いしました。

■重要なのは「根気」と「機転」
こういった忘れ物回収の成功は、単なるシステムに頼るだけではなく
スタッフの根気と機転が大きな役割を果たします。
例えば、システムで「忘れ物」とだけ入力しても、なかなか結果が出ないこともあります。
しかし、経験豊富なスタッフならば、「バッグ」「ポーチ」「カバン」と
いった多様なキーワードで検索を試み、場所を変えて再確認するなど、柔軟に対応します。

私も、アメリカの広大な空港でiPodを見つけるのは難しいだろうと思っていましたが
そのグランドスタッフは驚くべき対応を見せました。
私が説明すると、そのスタッフは
「これ、昨日のロサンゼルス/フェニックス便で見つけたiPodよ!」と
笑顔で取り出してくれたのです。

■奇跡の再会と感動の瞬間
そのスタッフが手にしていたのは、まさに私が忘れたiPod。
彼女は「昨日、機内清掃スタッフが見つけて、折り返しでロサンゼルスに戻った際
今朝こちらに届いていたのよ」と教えてくれました。
そして、私に「一曲目を言ってみて!」「テイラースイフト!」と回答した瞬間
私はそのスタッフとハイタッチをして、無事にiPodを手にすることができたのです。

この瞬間、私はグランドスタッフとしての仕事の醍醐味を改めて実感しました。
どんなに小さなものでも、乗客にとっては大切なアイテムであり
その大切なものを取り戻すために力を尽くすスタッフの姿勢が
空港のサービスに対する信頼を深めるのだと感じた瞬間でした。

■忘れ物対応の重要性とスタッフの誇り
忘れ物の回収は、単なる業務の一部に過ぎませんが
それが乗客にとっては非常に大きな意味を持つことがあります。
特に国際線のように便数が多い場所では、スタッフ一人ひとりの責任感と
柔軟な対応が重要です。
忘れ物を取り戻すための根気や工夫が、乗客にとっては「奇跡」のような
出来事になることもあります。

私自身の経験を通じて、グランドスタッフの重要な役割と
その努力の裏にある深い誇りを再認識しました。
日々の業務の中で、いかにして乗客の信頼を得るか。
それこそが、航空業界で働くスタッフにとって最も価値のある仕事だと思います。