羽田空港のグランドスタッフは、早朝の第一便から深夜の最終便まで
空港の運用に合わせて幅広い時間帯で勤務しています。
そのため、一般の交通機関が動いていない時間帯に通勤するケースも多く
独自の通勤ルールやサポート体制が整えられています。
今回は、羽田空港で働くスタッフたちがどのように職場へ向かっているのか、その実情をご紹介します。
■公共交通機関が動かない時間帯は“会社手配のタクシー”が基本
深夜早朝のシフトに入るスタッフは、電車やモノレールが動いていない時間帯に出勤しなければなりません。
そのため、会社があらかじめタクシーを手配し、自宅近くまで迎えに来てもらう仕組みがあります。
前日のうちに配車リストが公開され、自分の乗車時間を確認すれば
指定された時刻に待っているだけで空港まで送ってもらえます。
帰宅時も同様で、終電後の勤務がある日は、同じ方向のスタッフと相乗りになることもあれば
1人で乗車することもあります。いずれの場合も料金は会社負担です。
グランドスタッフや客室乗務員の採用条件に
「空港から一定距離以内に住んでいること」という項目が見られるのは
この通勤タクシー制度が背景にあります。
あまりにも遠方だと移動時間がかかりすぎ、運用が難しくなるためです。
■日中の通勤は京急線とモノレールが中心
公共交通機関が動いている時間帯は、京浜急行線と東京モノレールが主要な通勤手段になります。
住宅街を通る京急線は利用者が多く、航空関係者もよく見かけます。
特に蒲田周辺には航空会社の社員が多く住んでおり
一人暮らしを始めるスタッフの多くが会社紹介の物件を同エリアで見つける傾向があります。
モノレールにもメリットがあり、駅から空港までのアクセスがスムーズで
荷物が多いときにも移動がしやすいという声が聞かれます。
日常の通勤手段として、京急線とモノレールを使い分けるスタッフは多いようです。
■実は“モノレールのほうが早く着く”という豆知識
意外と知られていませんが、羽田空港に最も早く到着する始発は東京モノレールです。
京急線よりも少し早く空港に到着するため、出勤にはもちろん、プライベートでも活用されています。
特に多いのが「自社便でどこかへ出かけたい」というスタッフが、空席待ちをするために早く空港へ向かうケースです。
ほんの数分早く到着するだけで、空席待ちの順番が変わり、希望の便に乗れる確率が上がります。
そのため、休日のレジャーに出かける前は、モノレールを選ぶスタッフが少なくありません。
この豆知識は、一般のお客様が早朝便を利用する際にも役に立つかもしれません。
より早い時間に空港へ到着したい場合は、モノレールを選択肢に入れてみるのもおすすめです。
■通勤にも“空港の24時間性”が反映されている
羽田空港は多くの便が行き交う大規模ハブ空港であり
その運用を支えるグランドスタッフの勤務時間も多岐にわたります。
早朝・深夜を問わず職場に向かうための支援体制が整っているのは
空港全体を動かし続けるための重要な仕組みなのだと改めて感じます。
スタッフたちの通勤には、こうした裏側の工夫が息づいているのです。









