自転車を漕ぐ時や走る時に、向かい風だとなかなか進まないので体力を消耗します。
逆に追い風だと対して漕いでないのに、ビュンビュン前に進めて楽だったりしますよね。
車でも、船でも、向かい風の中を進むのにはエネルギーが必要ですし
これはどんな乗り物でも同じだと思うかもしれません。
しかし、飛行機に限っては追い風よりも向かい風のほうが好まれることがあるのです。
■フライト中は追い風が良い
飛行機もフライト中は追い風が最適です。
かなりの速度で空気の中を突き抜ける飛行機にかかる風圧はかなりのものです。
当然、向かい風よりも追い風の方が少ない燃料で飛行することができますし
追い風に乗って予定よりも速いスピードで走行できて、現地に早く到着できることもあります。
■離着陸は向かい風が良い
フライト中は追い風が良かったのですが、逆に飛行機の離着陸時には向かい風が良いと言われます。
これは、飛行機が飛ぶ時、揚力の原理と関係があります。
飛行機が飛ぶためには、主翼の上面と下面を流れる空気の圧力差によって
揚力を生じさせる必要があります。
この揚力を発生させるためには追い風よりも向かい風が向いているのです。
向かい風の時には、追い風の時に比べて滑走距離は短くすみますし
上昇もスムーズに行なえます。
着陸時にも向かい風が吹いている方が安定して着陸できるため向かい風が好まれます。
もし離着陸時に強い追い風が吹いていた場合には
スピードを出しても主翼両面を流れるスピードが相殺されてしまうため
揚力がどうしても小さくなってしまいます。
離陸のために滑走する距離もな伸びてしまいますし、着陸の歳にはスピードが落ちてしまうため墜落の危険性もあります。
離陸時とフライト時で好まれる風がまるきり逆になるというのは
他の乗り物にはない飛行機の特殊な点で面白いですね。
■実際に角度を変えている
飛行機の離着陸時には、実際に風向きによって走行方向を変えています。
例えば北から風が吹いている時には、南から北に向かって離着陸を行い
逆に南から風が吹いている時には、北から南に向かって離着陸を行います。
「逆境に陥ったら思い出せ。 飛行機は向かい風があって飛び立てるのであって、追い風に運ばれるわけではないのだ。」
これはヘンリー・フォードという実業家が残した名言です。
まさにこの言葉通り、飛行機の離着陸は向かい風が好きなのです。