LCCとはローコストキャリアの略称で、日本では2007年ごろより
航空会社に参入してきました。
LCCはその名の通り、低価格運賃で利用できることが一番の魅力です。
では、なぜ既存の航空会社に比べてそこまで低価格でのサービス提供が可能なのか、
知っている人も多いかと思いますが、そのあたりについて改めて詳しく見ていきましょう。
■機内の徹底した効率化
一度に輸送できる乗客の人数を増やすことがまず効率化の第一です。
座席のクラスはエコノミークラスのみに限定し、かつ
座席も少し狭くすることで1便当たりの座席数を増やしています。
それに加えて機内サービスの有料化です。
食事、ドリンク、映画視聴などのエンターテイメントサービスも含め
あらゆるサービスを有料化しました。
有料にすることで必要でない人はサービスを受けることはありませんし、
その分だけサービスを提供しなくてもいいので客室乗務員の数を減らせます。
そうすれば人件費はもとよりサービスにかかるコストそのものも削減できるのです。
あとは荷物の重量制限を厳しくし、機内持ち込みの荷物量を減らすこと
規定を超えた荷物については、追加料金を取る形をとっています。
■機内だけでない飛行場での効率化
空港でのコスト削減もLCCにとっては必要命題です。
例えば、ボーディングブリッジ(搭乗のために飛行機に横付けする通路)を使用せず、
ターミナルから距離をとった場所に駐機し、バスで乗客を移動させるなどします。
航空会社によってはバスすら使わず、徒歩で移動することもあります。
このようにして飛行場での効率化も行っているのです。
■機体を統一することでコストダウン
運航する飛行機の機体を一種類に統一することで、コスト削減を図っています。
つまり機種を分けると、その分だけ機種単位のライセンスが必要になり
整備だけでなくパイロットの育成費用も必要になるからです。
そのあたりのコスト削減をしているのです。
■コスト削減はオフィスにも
コスト削減は現場だけでなく自社オフィスに至るまで行われている。
不要なものは一切おかずに、できる限り賃料を安くするなど
涙ぐましいコストダウンが行われているのです。
このように徹底したコストダウンによって、LCCの低価格運航が実現しています。
また、搭乗チケットも紙ではなくスマホで行うようにするなど、
効率化できる部分は何でもやるというのがLCCの姿勢です。
■LCCは既存航空会社よりも危険?機体は中古?
これだけコスト削減を行っていれば、使用している機体も中古で
安全性もレガシー航空会社よりも劣っているのではないか?という考えを
持つ人も出てくることでしょう。
しかしそれは完全な間違いであると言えます。
LCCの多くが新造の機体で運航しており、むしろ古い期待を長く使っている
レガシー航空機よりも安全性は格段に高くなっていると言えるのです。
しかも整備においては機種を統一していることにより、不具合の共有や
手順の明確化、整備士の教育の一貫性などが図られており、
むしろ様々な機種で運航している航空会社よりも整備力は高いともいえるのです。
■安かろう、悪かろうではない
LCCが安いのは周知の事実ではありますが、安いからといって
安全面を疎かにしているわけではなく、悪かろうではないのです。
その点は、しっかりと認識して利用する航空機会社を選ぶべきでしょう。