2023年10月、あるニュースが報じられて驚いた人も多いことでしょう。
そのニュースというのが「大勢の力士が飛行機に乗り合わせて重量オーバーになった」というものです。
鹿児島県で開催される国体に出場するため、高校生力士たちが飛行機に乗ろうとしたところ
重量制限になってしまうことが判明し、日本空港が急遽臨時便を出したという内容で
実際に飛行機が重量オーバーで飛べなかったわけではないのですが
「こんなことがあるんだ!?」と驚いた方も多かったのではないでしょうか。
お相撲取りの方が海外巡業を行う時など、たくさんの力士が一度に飛行機に搭乗すると
飛行機が傾いてしまわないのだろうか?と心配になります。
そして、実際に力士の方が搭乗することで飛行機が傾く心配は大いにあります。
なぜなら、飛行機は非常にバランスが重要な乗り物だからです。
飛行機では機内をいくつかに区分けをした上で、乗客の体重を「みなし」で計算し
重心を一定範囲内に保ちバランスを取っています。
前や後ろが極端に重すぎたりかるすぎたりしないように
旅客機は様々な方法を駆使してシーソーのようにバランスを取っています。
そして、体重を計算したら、揚力の中心と重心をほぼ一致させることで
飛行機の機体が安定して運行することができるのです。
しかし、力士を始め、屈強な肉体を持つスポーツ選手団体が搭乗する場合には
通常の「みなし」計算ではバランスが取れないため特別に計算をしなくてはいけません。
過去には団体客がまとめてキャンセルしてしまったために
重心が後方に偏ってしまって飛行中の機体が不安定になったこともあるそうです。
ちなみに、日本の力士が飛行機に搭乗する際には、全員が一度の飛行機に乗ることはありません。
万が一事故にあったときに相撲協会が力士全員を失うことがないように
横綱や大関も均等に分散させて乗ることになっています。
また、体の大きな力士の方はエコノミークラスの座席に座るのはかなり窮屈です。
体の大きな力士の場合は2席分を予約し、肘掛けを上げて座ります。
横綱や大関クラスになると座席はファーストクラス、関脇以下の関取はビジネスクラスです。
このときも、細い人と体の大きな人が隣になるようになど重量を調節します。
力士の方々が飛行機に乗るのは、なかなか大変なんですね。