羽田空港は日本のどの空港よりもセキュリティゲートの中が充実しています。
セキュリティゲート内は保安エリアです。
入るためにはX線検査で手荷物検査を受ける必要があります。
ここに店舗を構えるということは、同じように商品も検査を受ける必要があり、手続きが煩雑です。
このため多くの空港では手続きの必要ない、セキュリティゲートの外にお店や娯楽施設を設置しています。
ところが羽田空港はそんな煩雑な手続きが必要な第一、第二ターミナル内を充実させています。
カフェ、スイーツショップ、本屋など幅広いラインナップの店舗が増えています。
今まで、セキュリティゲートをくぐってしまえば、あとは飛行機に登場するのを待つだけというのが常識でしたが
羽田空港ではセキュリティゲートをくぐったあとでも充実した時間を過ごすことができるのです。
中でも驚きなのが、百貨店の伊勢丹がセキュリティゲート内にあるという点です。
羽田空港の中に「イセタン羽田ストア」がオープンしたのは第一ターミナルが2012年
第二ターミナルが2014年です。
空港内の店舗なので簡素な作りかと思いきや、百貨店である伊勢丹を
そのまま再現したかのような高級感のある内装と品揃えだから驚いています。
ここではジャケット、ネクタイ、ワイシャツなどのメンズ商品がとても充実しています。
なぜならここは忙しいビジネスマンをメインターゲットに見据えた店舗だからです。
ビジネスマンの場合、普段は忙しくて新宿の伊勢丹へ買い物に行く時間が作れないという人が多いです。
彼らは飛行機を待っている間の時間を利用して、出張のついでに買い物をするのです。
当然ですがセキュリティゲートをくぐった先にある店舗なので飛行機に搭乗する予定がある人しか
「イセタン羽田ストア」は利用することができません。
空港内でスーツを販売して売れるのだろうか?と思われてしまいがちですが
忙しい彼らは空港に付くとまっすぐセキュリティゲートを通って搭乗口へ向かいます。
他のエリアをのんびり見て回ることはありません。
常に忙しい人だからこそ、飛行機に乗るまでの少しの時間にやっと商品を眺める時間が確保できるのでしょう。
荷物は出張後に受け取っても大丈夫ですし、自宅に配達してもらうこともできるでしょう。
忙しくて次に買い物に行けるのはいつか分からない。
だからこそスキマ時間を活用したいという需要と供給が一致した店舗なのです。