空港の運営は誰がしているか知っていますか?
飛行機に乗ってどこかに旅行に行く時、ANAやJALといった航空会社を使います。
近年はLCCなども増え、日本国内でも様々な航空会社が飛行機を飛ばしています。
しかし航空会社が空港の運営をしているわけではありません。
空港を運営しているのは空港経営を専門とする「空港オペレーター」と呼ばれる会社です。
近年、空港は飛行機に乗るだけの施設ではなくなっています。
これは空港オペレーターの最大の目標は空港の利用客を増やすことにあるからです。
空港は「駅」です。
移動したいと思う人がいる以上、必ず一定の利用者は存在します。
飛行機にさえ乗ることができるなら最低限の条件は満たしているといえるでしょう。
このため空港オペレーターは滑走路の着陸料をできるだけ下げることでエアラインを誘致しようとします。
飛行機の本数が多ければ利用客も自動的に増えて多くの人が利用するようになります。
ところが、利用客が増えても着陸料が減るということは、空港の収入は増えません。
その分をどこで稼ぐかというと航空収入以外の部分です。
近年の空港は新千歳空港や羽田空港をはじめ商業施設としての色合いもかなり強くなっています。
アミューズメントパーク化、観光スポット化、多民族や多宗教への対応というのも多くの人が利用するために
利便性を追求しているという側面だけではなく、空港収入以外の部分を増やすためでもあります。
空港を利用する人はもちろんですが、空港に到着する人を見送りに来た人。
空港に到着する人を迎えに来た人。
乗る人も乗らない人も楽しい場所にすることで空港で使うお金も増えるという寸法です。
日本には現在空港オペレーターを専門にしている会社はありません。
いずれどこかの商社やファンドが空港オペレーターになるべく研究を進めている段階です。
アミューズメントパーク化なども海外の事例などを参考に空港が独自に行っているものです。
対して、海外の空港は専門の空港オペレーターが手掛けている空港がとても多くなります。
・アヴィ・アライアンス……デュッセルドルフ空港(ドイツ)、アテネ空港(ギリシャ)、ブダペスト空港(ハンガリー)他
・フラポート……フランクフルト空港(ドイツ)、他24ヶ所の空港
・ファロアビル……ヒースロー空港(イギリス)、他4ヶ所の空港
・IFMインベスターズ……メルボルン空港(オーストラリア)、アデレード空港(オーストラリア)、マンチェスター空港(イギリス)他
空港はその運営する会社によって大きく雰囲気を変えます。
いずれ日本の空港も本格的な空港オペレーターが経営に参画することにより
がらりと変わるかもしれませんね。