今のうちにおさらいしたい世界遺産と歴史⑥ ゼメリング鉄道

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旅行の醍醐味、旅行の目的はなんですか?
多くの人は現地で観光名所を巡ったり、現地ならではの名産品に舌鼓を打ったり
あるいは日本では手に入らないような異国情緒あふれる商品を買い求める、ではないでしょうか?

観光、グルメ、ショッピングを旅行の目的にする人は多いです。
でも現地を訪れるための飛行機を目的にしている人はあまり多くないでしょう。
あくまで移動手段は現地に移動するために必要なもので
一部の乗り物オタクと言われる人以外、旅の目的になることはあまりありません。

ところがオーストラリアにあるゼメリング鉄道は鉄オタじゃなくても、乗ることを目的にできる世界遺産です。
オーストラリアを訪れたなら鉄道として初めて世界遺産に指定されたゼメリング鉄道に乗りましょう。

世界で初めて世界遺産に登録された鉄道

ゼメリング鉄道は1848~1854年にかけてゼメリング峠に建設された世界初の山岳鉄道です。
グロッグニッツ~ミュルツツーシュラーク間の約41kmを結び、その高低差は460mです。
山岳鉄道として有名なのはスイスの鉄道ですが、ゼメリング鉄道こそ世界で最初にアルプスを超えた鉄道です。
そびえたつ断崖、深い峡谷の間に16本のトンネル、2層アーチの高架橋が16本築かれています。
とても古い鉄道でありながら、現在も現役で運行しているというのが1つ目の驚きポイントでしょう。
更に驚きのポイントとなるのが、橋やトンネルの全てが石で作られているという点です。
石で作られているからこそ、アルプス山脈の風景に見事に調和しているのです。

6年間という短期間で完成した鉄道

当時はまだウィーンからグラーツに向かうためには馬車という手段しかありませんでした。
世界各地では線路が敷かれ蒸気機関車が大きく蒸気を吹上ながら人々を輸送していました。
しかし蒸気機関車が走っていたのはどこも平地だけです。
標高差460mもの高低差のある山を鉄道が超えるなんて誰も考えることはありませんでした。
当然ですが、近代的な工事で使われるような土木機械も、トンネルを掘るためのダイナマイトもありません。
勾配を計測する機械もなかったため、この工事のために精密な計測器が開発されました。
そんな条件の中、ほとんど人力で、しかもたったの6年で建設され
さらに今現在も現役で運行されていると考えるとその技術力の高さが想像できると思います。
工事に携わったのはおよそ2万人とされています。
19世紀半ばの土木技術の全てが注ぎ込まれたと言っても過言ではありません。

美しい風景が広がる

ゼメリング鉄道は実は直線では21kmほどです。
これを山岳に沿って曲がりくねりながらすすむ41kmで時間にすると30分ほどになります。
車窓からは素晴らしい風景を眺めることができます。

またこの鉄道が開通したことにより、ゼメリング地方には避暑地ブームが起こり
高級ホテルやヴィラが沢山建設されました。
今でもこれらの建物が残されています。
ここも見どころの一つです。