飛行機は、安全性だけでなく、燃費や運航コスト
乗客の快適性まで考慮しながら進化を続けています。
機体を軽くするための新素材の採用や、限られたスペースを有効活用する工夫
さらには格安航空会社ならではの機材運用など、その背景には合理的な理由があります。
今回は、飛行機に関する4つの疑問について、わかりやすく解説します。
■燃費を良くするためにどんな工夫をしている?
現在の航空会社が機体を選ぶ際、最も重視する要素の一つが燃費性能です。
大型機でも中型機でも、燃料効率の良さは重要な判断基準となっています。
その背景には、1990年代以降、原油価格が高止まりする時期が続いたことがあります。
燃料費は航空会社の大きな負担となるため、燃費の優れた機体への需要が高まりました。
こうしたニーズに応えるため、航空機メーカーは燃費向上を重視した機体開発を進めています。
その代表的な方法が、機体の軽量化です。
以前はジュラルミンなどの金属が主な素材でしたが、
現在ではより軽く、強度にも優れた炭素繊維複合材が広く使われています。
機体が軽くなるほど必要な燃料が少なくなり、運航コストの削減にもつながるのです。
■床下にトイレがある旅客機があるのはなぜ?
長距離路線では、多くのトイレを設置する必要があります。
しかし、トイレの数が増えると、その分だけ客席スペースが減ってしまいます。
そこで一部の航空会社では、トイレをメインデッキの床下へ移設する工夫を採用しています。
これにより、機内により多くの座席を配置できるようになります。
例えば、5か所のトイレを床下へ移すことで、約9席分の座席を追加できるとされています。
ただし、この方式を採用している航空会社はまだ少数です。
床下スペースは本来貨物室として利用されるため
そこへトイレを設置すると貨物を積める量が減り
貨物輸送による収益が低下してしまいます。
つまり、座席数は増えても貨物収入が減るため
必ずしも航空会社全体の利益につながるとは限らないのです。
■格安航空会社が同じ機種ばかり使う理由
大手航空会社は、利用者数や路線に応じて大型機・中型機・小型機を使い分けています。
一方、多くの格安航空会社(LCC)は、保有機材を1種類に統一しています。
最大の理由は、コスト削減です。同じ機種を大量に購入すれば
航空機メーカーから大幅な値引きを受けられる可能性があります。
また、整備や運航の効率化にもつながります。
複数の機種を保有すると、それぞれに対応できる整備士やパイロットの育成が必要になりますが
機種を統一すれば教育内容を共通化できます。
さらに、交換部品も共通化できるため、部品在庫を減らせるほか、整備作業も効率よく行えます。
このように、機材を統一することは、LCCが低運賃を実現するための重要な戦略となっています。
■あれほど重い飛行機が空を飛べるのはなぜ?
数百トンもの重さがある飛行機が空を飛ぶ仕組みは、不思議に感じる人も多いでしょう。
その秘密は、翼の形状にあります。
飛行機の翼は、上側が丸みを帯びた流線形で、下側は比較的平らな形になっています。
飛行中は、翼の上側を流れる空気のほうが下側より速く流れ
その結果、翼の上側の気圧が低くなります。
一方、翼の下側は気圧が高いため、上下の気圧差によって翼を押し上げる力が生まれます。
この力が「揚力」です。
揚力が機体の重さを上回ると、飛行機は地面を離れて空へ浮かび上がります。
例えば、ボーイング787の最大重量は約228〜247トンにも達します。
それほど重い機体でも、翼が生み出す揚力が重量を上回れば
大空を安定して飛行することができるのです。










