飛行機は人や荷物を運ぶだけでなく、その設計や運用方法にも多くの工夫が詰まっています。
役目を終えた旅客機の行き先や、プロペラ機が音速を超えられない理由
「飛行機」と「航空機」の違いなど、意外と知られていないことも少なくありません。
今回は、飛行機にまつわる4つの疑問について、わかりやすくご紹介します。
■引退した旅客機はその後どうなる?
航空会社によって、機材の運用方針は異なります。
新しい機体を積極的に導入する会社もあれば、中古機を購入してコストを抑える会社もあります。
このような需要があるため、1機の旅客機は長期間にわたって活躍することができます。
旅客機は経済的には約25年が寿命の目安とされていますが
適切な整備を続ければ50年近く運航することも可能です。
そのため、中古機であっても十分な整備が施されていれば
安全性に大きな問題はありません。
例えば、シンガポール航空は比較的新しい機体を好むことで知られています。
新型機は利用者に好印象を与えられるほか
整備費用やメンテナンスにかかる時間を抑えられるという利点があるためです。
同社では、使用開始から約10年ほど経過した機体を中古市場へ売却することがあります。
こうした機体は、東南アジアやアフリカなどの航空会社が導入し
引き続き運航に利用されています。
また、新造機は納入まで時間がかかるため
その間の代替機として中古機が選ばれるケースもあります。
■プロペラ機はなぜ音速を超えられない?
ジェット機が普及する以前、空の主役はプロペラ機でした。
しかし、現在でもプロペラ機が音速を超えて飛ぶことはできません。
第二次世界大戦中には高性能エンジンの開発が進み
最高速度が時速700キロを超える戦闘機も登場しました。
それでも実用的な速度はそのあたりが限界でした。
理由は、推進力を生み出すプロペラにあります。
プロペラ機は羽根を高速で回転させることで前へ進みますが
回転速度が音速に近づくと空気の流れが大きく乱れ
回転数を上げても推進力が思うように増えなくなります。
これまでにも、プロペラを後方へ配置する方式や羽根の形状を工夫するなど
さまざまな設計が試みられてきました。
しかし、特殊な機体でも最高速度は時速850〜950キロ程度にとどまり
音速の壁を突破することはできませんでした。
■「飛行機」と「航空機」は何が違う?
日常会話では同じように使われることが多い
「飛行機」と「航空機」ですが、実は意味が異なります。
航空機とは、空を飛ぶ乗り物全体を指す言葉です。
その中には飛行機だけでなく、ヘリコプターや飛行船、気球なども含まれます。
航空機は大きく「重航空機」と「軽航空機」に分類されます。
重航空機には飛行機やヘリコプターが含まれ、飛行機やグライダーは固定翼
ヘリコプターは回転翼によって飛行します。
一方、飛行船や気球は軽航空機に分類されます。
つまり、飛行機は航空機の一種ですが、ヘリコプターや
気球は航空機ではあっても飛行機ではありません。
また、ロケットやミサイルは航空機には含まれず、「飛行体」や「飛翔体」と区別されています。
■貨物便と旅客便はどこが違う?
同じ機種であっても、貨物便は旅客便ほど長距離を飛べないことがあります。
その理由は、積み込む荷物の重さにあります。
貨物便は、旅客便の乗客や手荷物、機内食、飲料
水などを合わせた重量の約2倍もの貨物を積載することがあります。
その状態で燃料も満載すると、機体が重くなりすぎて安全に離陸できません。
そのため、貨物便は燃料を減らして離陸し、途中の空港で給油しながら目的地へ向かいます。
現在では旅客便の利用が減ったアンカレッジやフェアバンクスなどのアラスカの空港も
貨物便にとっては重要な中継地点です。日本から北米東海岸方面へ向かう貨物便の多くは
こうした空港で給油を行いながら長距離輸送を続けています。
そのため、これらの空港は現在も国際物流を支える重要な拠点として活躍しています。










