世界一高い場所にある空港をご存じでしょうか。
南米ボリビアの首都ラパス近郊にある、エル・アルト空港は
何と海抜4061メートルの位置にあります。
世界一高地にある空港で、富士山の標高3776メートルよりも
300メートル以上高い場所にある計算になります。
環境的に独立峰である富士山と単純比較はできませんが、
それでも平地にある空港よりも環境的な課題は多く見られます。
では、どのような悩みや課題があるのか詳細に見てみましょう。
■空気密度が平地よりかなり小さい
飛行機が離着陸する際には空気密度が大きく影響しますが、
4000メートルを超える高地にもなると空気が極端に薄くなっているので、
空気密度は櫃前提に小さくなります。
空気密度が低いということは、それだけスカスカな空気ということですから
空気抵抗も小さくなります。
そのため空気密度に対する揚力も小さくなってしまうので、
飛行機の推力は小さくなり、飛行機のエンジンは空気の取り込み効率が悪くなるので
通常よりもより多くの燃料を消費することになります。
揚力の小ささをカバーするために、飛行機は通常よりも早いスピードで
飛行しているので、着陸時にはその分だけ滑走距離が必要になります。
エル・アルト空港は標高が世界一であるだけでなく、滑走路の長さも
4000メートルもあるのです。
飛行機が着陸するために、4キロもの滑走路が必要になるなど
日本では考えられません。
それだけ高地にあるということが想像できることでしょう。
■着陸できる飛行機にも制限がある
このエル・アルト空港は滑走路が4キロもあるにもかかわらず、
重量のある大型旅客機は離陸できません。
これだけの標高から大型旅客機が離陸するには、揚力が圧倒的に足らないのです。
ですから、エル・アルト空港には中型機以下の飛行機しか離陸できません。
そのため、エル・アルト空港を離陸した飛行機は、1時間分程度の燃料のみを積んで
近くのサンタクルスという平地になる空港に着陸します。
そこで燃料を満タンにしてから目的地に向かって長距離飛行をします。
このように高地特有の事情により、飛行機の運航も工夫を凝らしているのです。
■まとめ
富士山よりも高い場所にある空港と言われても、日本人には想像もつきませんが
実際にそのような空港が世界には存在しています。
そんな不便なことをしてまで飛行機で行く必要などあるのか?という
疑問もあるかもしれませんが、現地では欠かせない移動手段なのです。
このように世界には珍しい空港がたくさんあります。