東欧の大国として知られるポーランドですが、日本人で観光に訪れたことがあるという人はあまり多くありません。
ヨーロッパ旅行というとイタリアやフランス、イギリスといった西欧諸国を思い浮かべる人が多く
東欧旅行をするのはよほど東欧に興味がある人か旅行好きと言った人でしょう。
しかし、実はポーランドは非常に熱心な親日国であり、魅力的な世界遺産も多いおすすめの観光地なのです。
どのくらい親日国かというと、年間2万人もの来場者が訪れる「日本祭り」が開催されるほどです。
現地の言葉でいうと「Matsuri – Piknik z Kulturą Japońską」となります。
現地の言葉でもイベント名に日本語で「Matsuri」と表記されるほどポーランドの人は日本に親しみを感じている方が多いです。
今回はそんなポーランドの世界遺産を紹介します。
■ワルシャワ歴史地区
ポーランドの首都ワルシャワにある旧市街はワルシャワ歴史地区と呼ばれ1980年に世界遺産に登録されました。
この地区は17~18世紀の町並みを第二次世界大戦後に忠実に復元したものです。
通常、歴史的建造物が当時の姿を留めていることが世界遺産になるケースが多いのですが
こちらの地区は「復元」された建造物で、これはかなりレアなケースです。
当時、北のパリと呼ばれるほど美しく繁栄したワルシャワでしたが、ナチス・ドイツの侵攻により
8割以上もの建造物が破壊に破壊しつくされて瓦礫の山となってしまったのです。
戦後、18世紀の画家の風景が、建築を学んでいた学生のスケッチ、写真などを元に忠実に復元されました。
こちらのワルシャワ歴史地区にはキュリー夫人の生家である建物がキュリー博物館となっており
こちらも合わせて見学したいスポットとなっています。
■ヴィエリチカ岩塩坑
ポーランドの旧都クラクフの南東にあるヴィエリチカ岩塩坑は1978年に世界で最初に
世界遺産に登録された12件のうちの一つです。
最初の世界遺産に指定された理由は実際に訪れてみれば明らかです。
ヴィエリチカ岩塩坑はまるいで地下に一つの都市があるかのように素晴らしい風景が広がっているからです。
13世紀頃に本格的な採掘が始まったとされるヴィエリチカ岩塩坑の広さは
深さ300m以上、総延長300km以上、地下9層というとんでもない広さです。
中には聖キンガ礼拝堂などが作られ、岩塩を掘って作られた岩塩アートがたくさん飾られています。
現在商業採掘は行われていませんが、コンサートが開催されたりイベントも盛り沢山な場所となっています。
■アウシュヴィッツ・ビルケナウ
アウシュヴィッツ・ビルケナウはナチス・ドイツの負の遺産です。
他の観光地と違って素晴らしい風景が見られるわけでもなければ、散策を楽しめるスポットでもありません。
しかしポーランドを訪れるなら、訪れるべき価値がある場所なのは確かです。
この収容所は当時ナチス・ドイツがポーランド人とユダヤ人を100万人以上の人々を虐殺したと言われています。
アンネの日記の作者であるアンネ・フランクもこの収容所に入れられていたそうです。
犠牲者の数を特定することはできず、28カ国からユダヤ系の人々がこの収容所に運ばれました。
ポーランドを訪れるなら、その歴史を学び、追悼と平和を願うことは欠かせません。
■ビャウォヴィエジャ原生林
ヨーロッパというと原生林のイメージはほとんどないかもしれません。
それもそのはず、ビャウォヴィエジャ原生林はヨーロッパに残る最後の原生林と言われる場所です。
ポーランドとベラルーシの国境にあり、人の手が入ることなく、自然のままの姿を遺しています。
お酒が好きな方なら「ズブロッカ」というウォッカの名前を飲んだり、聞いたことがあるかもしれません。
実はこのズブロッカにはビャウォヴィエジャ産の香草が使われています。
こちらの原生林は国立公園に指定されており、公園内には宿泊施設もあります。
ロングステイすることもできるので、大自然を感じながらゆったり滞在するのがおすすめですよ。