利益を出すためには、商品を買ってもらったり
サービスを利用してもらって対価を支払って貰う必要があります。
何かしらの商品が売れなかったり、利用者がいなかったりすれば会社は成り立ちません。
では、どうすれば売上を伸ばすことができるのでしょうか?
新しい事業を立ち上げたり、新規参入をしたりするとき、顧客を増やすために考えられるのが
よくあるのが他者の顧客に向けてアピールをすることです。
「うちのサービスのほうが安いですよ!優れていますよ!」とアピールして
現在サービスを利用している人から乗り換えを促すという方法です。
すでにそのサービスを必要としている人は、そのサービスを必要としているわけですから
メリットを提示することができれば、乗り換えを促すことができるでしょう。
しかし、この方法はそこまで有効な手段とはいえません。
ライバル会社から顧客を奪うためには、相当な労力と覚悟が必要です。
またライバル会社も黙って見ているわけではありません。
何らかの対抗措置を取ってくるでしょうし、そうなれば競争は激化します。
メリットを提示してもすべての顧客が乗り換えてくれるわけではありませんし
元々いた顧客という枠内でしか顧客を獲得することはできません。
そこで大事なのが「潜在顧客を見つけ出す」ということです。
まだどのサービスでも顧客にはなっていないけれど、顧客になる可能性のある人にアピールし
利用をしてもらうという方法です。
例えば大手航空会社が顧客としていたのが、富裕層や旅行好きな人。
ビジネスパーソンと行った方々です。
LCCが日本でサービスを始めた時、顧客として狙い定めたのが
旅行をしたいけれど金額がネックになって旅行を諦めていた女性、若者と言った層です。
気軽に旅行に行きたいけれど、飛行機を使うと値段が跳ね上がってしまうのでと諦めていた層に対して
手頃な価格で利用できる飛行機という手段を提供することで潜在顧客をたくさん掘り起こしたのです。
今まで、対象外とされていきた潜在顧客を掘り起こすのは大きなメリットがあります。
それは、従来の顧客だけではないので無限の可能性があるという点です。
また競合他社との争いがそこまで大きくならないということです。
競合他社の従来の顧客が大きく減ることはないため、競争は激化せず互いに良い関係を築けます。
潜在顧客を掘り起こすことは、市場の拡大に繋がります。
例えば、LCCを利用して飛行機を乗る手軽さを覚えたユーザーはどうなるでしょうか?
旅行に行く頻度が上がるでしょうし、旅行がより好きになるかもしれません。
旅行を好きになれば、もっと遠くへ旅行に行くことを検討し始めるかもしれません。
そうすればLCCの顧客が大手航空会社を利用する選択肢も出てくるでしょう。
市場の拡大は自分たちの利益だけではなく、業界全体に好ましいことです。
新しい事業を始める時、ライバル企業から顧客を奪うという視点は捨てるべきです。
それよりも狙うべきは「潜在顧客」です。
すでにある需要に乗っかるよりも、新たな需要を掘り起こすことを考えましょう。
イノベーションを起こせば、潜在需要は必ず掘り起こすことができます。