ゲート業務あるある:スタンバイカウンターは最強のタイムトライアル

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空港でのグランドスタッフの業務の中でも、特に瞬発力と判断力が試されるのが
「スタンバイカウンター」での対応です。
この持ち場では、満席に近い便の出発直前に発生した空席に、待機中のお客様を割り振るという、
まさに時間との戦いが繰り広げられます。

搭乗口のすぐ近く、目立たないスペースに設置されたこのカウンターでは、
専任スタッフが出番を待ち構えています。すべてのチェックインが締め切られ、
最終的な空席数が確定するのは出発15分前。その瞬間から、スタンバイ対応が始まるのです。

■誰を乗せるか、優先順位のルール
スタンバイ対応で最も重要なのは、「誰を優先して搭乗させるか」の判断。
航空会社のマイレージプログラムなどで上級ステータスを持つ乗客が最優先され、その次に、
空港に早く到着しスタンバイ手続きを済ませた順にチャンスが巡ってきます。

たとえば、ステータスが高い乗客が出発20分前に空港に来ても、
2時間前から待っていた一般のスタンバイ客より優先される場合もあります。
こうした優先順位の判断には、航空券の種類や乗客の背景を把握する知識が求められます。

■スタンバイ客は一様ではない
スタンバイカウンターに並ぶお客様と一口に言っても、事情は千差万別です。
すでに普通席でチェックイン済みで、アップグレードを希望している人。
後の便に予約を持っているが、早く出発できる便に変更したい人。
あるいはまだ一切の手続きをしておらず、とりあえず早い便に乗れればいいという人もいます。

大型機の便では、スタンバイ希望者が数十人にのぼることも珍しくなく
カウンター前には長蛇の列ができることもあります。
さらに、「家族全員が並び席なら搭乗したい」「子ども連れなのでバラバラの座席では次の便に回してほしい」など
細かいリクエストも次々と飛び出します。

■怒涛の10分間が勝負
乗客の希望や条件を一人ひとり聞き取ったうえで、わずかな時間で的確な判断を下すのが
このポジションの腕の見せどころです。
多くの場合、スタンバイ対応が本格的に動き出すのは出発の10分前。
このタイミングで「◯番までのプレミアムステータスのお客様、こちらへ」と声をかけ、順番にご希望を確認していきます。

一人にかけられる時間は、おおよそ10秒ほど。その中で、希望の便に乗れるか、
希望通りの座席条件を満たせるかを判断し、即座に発券手続きを進めなければなりません。

■経験と知識が求められる専門職
この業務を担当できるのは、航空券の種類や料金体系、マイレージの優先順位といった複雑なルールに通じた
一定の経験を積んだグランドスタッフのみ。
発券業務の研修を修了していることも前提条件となるため、誰でもすぐに担当できるわけではありません。

あるスタッフは「この持ち場が好きでした。目の前の乗客全員を1便に乗せきれたときの達成感は格別。
心の中で思わずガッツポーズしたくなります」と語ります。
限られた時間と情報のなかで、最適解を見つけ出すスピード勝負。
まさに空港の舞台裏で繰り広げられるプロフェッショナルの仕事です。