国際線を利用する際の楽しみといえば、各航空会社や路線によって異なる機内食の提供ですよね。
そんな機内食を食べていて、不思議に感じたことはないでしょうか?
コンビニのお弁当を購入してお店で温めてもらうと、レンジはメインディッシュもサイドのサラダも温めてしまいます。
ところが、配られる機内食は、メインディッシュの肉や魚は温かく、サラダやデザートはヒンヤリ冷やされて提供されます。
だからこそ、機内食は美味しく満足できるものです。
気になるのは、こんな狭い機内の中で一体どんな風に調理と管理をしているのか、という点です。
■調理室「ギャレー」の秘密
機内で提供される食事や飲み物は、全て「ギャレー」と呼ばれる調理室で準備されています。
ギャレーには、調理台、スチームオーブン、電子レンジなどの設備が設置されており
これらを駆使して温かなコーヒーやヒンヤリとしたスイーツが提供されます。
国際線の場合、各種飲み物と機内食が乗客数の1.5~2倍の用意が必要になります。
約300人が搭乗する大型旅客機の場合には、ギャレーは6箇所。
国内線では機内食の提供はありませんが、飲み物などの提供は必要なため4箇所にギャレーが設置されます。
■多機能が詰まった調理室「ギャレー」
ギャレーは機内に設置されるだけあって、コンパクトな作りになっていますが大変多機能に作られています。
食事や飲み物を配るための車輪付きカートもギャレーに収納されています。
そして、このギャレーはとても高性能にも作られているのです。
機内では地上のように火を使って食材を温めることはできません。
コーヒーを入れるために、火を使ってお湯を沸かすわけにはいきません。
そこで使われるのが、カート内にある加熱板です。
温めたい食材をその加熱板の上におくと、その部分だけが温まります。
このため、サラダは冷たいまま、メインディッシュのお肉やお魚は温かいという状態で機内食を提供できるというわけです。
■日本製ギャレーはシェア4割
これほど優秀なギャレーですが、実は4割が日本の「ジャコム」というメーカーが製造しています。
全世界を飛んでいる飛行機のおよそ4割に日本製のギャレーが採用されているのです。
ギャレーにはコンパクトで、多機能、高性能であることが求められるだけでなく
乗務員が効率よく作業できる機能、デザイン、耐久性、軽量さが求められます。
2015年には、ボーイング社から「ボーイング・サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」も受賞しており
まさに日本の高い技術が世界に認められているのです。