飛行機にとって、天候は安全な運航を左右する重要な要素です。
濃霧や強い横風はもちろん、雲ひとつない晴天にも
パイロットが注意しなければならない現象があります。
今回は、視界が悪い空港で着陸できる仕組みや、横風への対応
晴れた日に警戒される乱気流について解説します。
■なぜ濃霧の空港でも旅客機は発着できる?
濃い霧が発生すると、滑走路が見えにくくなるため、旅客機の離着陸は難しくなります。
しかし、一定の条件を満たしていれば、視界がかなり悪い状況でも着陸できます。
その際に利用されるのが「ILS(計器着陸装置)」です。
空港から発信される電波を利用して、航空機が滑走路に正しく進入できるよう誘導します。
パイロットが目視だけに頼らず、計器から得られる情報をもとに着陸できる仕組みです。
ただし、ILSがあればどんな濃霧でも着陸できるわけではありません。
空港や航空機の設備などによって、着陸できる視界の条件が定められています。
条件を満たせない場合には、上空で待機したり、別の空港へ向かったりします。
■横風で着陸するのは危険?
離着陸時に特に注意が必要なのが横風です。
航空機は基本的に風上へ向かって離着陸しますが
滑走路の向きによっては横から風を受けながら飛ばなければならない場合があります。
弱い横風であれば、パイロットが機首を風上側へ向けるなどして
機体が流されないよう調整できます。
そして滑走路へ近づいたところで機首を滑走路の方向へ戻し、接地します。
しかし、横風が強すぎると、機体が大きく傾いたり、滑走路から外れる危険が高まったりします。
そこで航空会社や機体ごとに、運航できる横風の限界が設定されています。
この限界を超える強風が吹いている場合には
無理に離着陸せず、運航を中止したり、別の空港へ向かったりします。
そのため、同じ空港でも航空会社によって運航判断が異なることがあります。
■晴れた日にパイロットが警戒する気象現象は?
「雲ひとつない晴天なら、飛行機にとって最高の条件」と思いがちですが
必ずしもそうとは限りません。
パイロットにとって、雲は単なる障害物ではなく
上空の気象状態を知るための手がかりにもなります。
雲の動きなどから、風や気流の状態を推測できるからです。
ところが、空が完全に晴れていると、目で確認できる手がかりが少なくなります。
そこで警戒されるのが「晴天乱気流」です。
雲がない場所でも、上空では突然、強い気流の変化が起こることがあります。
もちろんパイロットは、出発前に天気図や気象情報を確認し
飛行中もさまざまな情報を収集しています。
それでも、実際の空を飛んでみなければ分からない変化はあります。
つまり、パイロットにとって「何もない青空」は、必ずしも情報が豊富な空とは限りません。
穏やかに見える空の中にも、目では確認しにくい危険が潜んでいるのです。









