せっかくアイディアを出して企画として実行したのだから、その企画を成功させたいと思うのは仕方ないことです。
しかし全ての企画を成功させようとしてしまうと、アイディアを出しにくくなってしまうという本末転倒な現象が起こります。
すべての企画を成功させようという考えに囚われてはいけません。
新しい企画は100個実行した上で、1個成功すればいいのです。
せっかく生まれたアイディアを失敗しないようにと温めるよりも、失敗しても良いと企画を立てるほうが
多くの人からアイディアを引き出しやすくなります。
やってみなければわからないことは沢山あります。
100個やれば1つは成功する。
200個やれば2つは成功する。
そして300個やれば3つは成功するでしょう。
沢山、アイディアを出して企画を生み出した方が、結果的に数多くの成功を手に入れることができるでしょう。
絶対に失敗しないように、成功するアイディアを出そうとすれば
「失敗したらどうしよう」、「上手く行かないかもしれない」と考える人からのアイディアがでなくなります。
玉石混交、良いアイディアも悪いアイディアも沢山のアイディアが出されることからより良いものが生まれるのです。
とはいえ、数多くのアイディアを無理やり出させようとしても十分な結果は得られないでしょう。
リーダーが「一人10個アイディアを出すように」と言ったとしても、それは自由な雰囲気ではありません。
無理やり絞り出したアイディアではなく「こんなアイディアどうかな?」、「私のアイディアを聞いてください!」
「こんなことをしたら面白いんじゃないかな?」、「こんなことをやってみたい!」という
イキイキとした発想と雰囲気から出てくる企画だからこそ、その後の企画でもスムーズに進みます。
リーダーがすべきことはアイディアの提出を義務として課すことではありません。
自分からどんどんアイディアを出すことです。
それも他の人が遠慮して出せないような突飛なアイディアを率先して出すことです。
人は「こんなことを言ってバカだと思われないだろうか」、「こんなアイディアはダメだと叱責されないだろうか」
「上手く行かなかった時に責任を取らされたらどうしよう」、「そんなの出来るわけ無いと切り捨てられたくない」と
ネガティブな意識が働いてしまうとアイディアが出しにくくなります。
せっかく素晴らしいアイディアをひらめいても、飲み込んでしまうでしょう。
そこでリーダーがあえて実現できなさそうなアイディアを出すことで、自分もアイディアを出しても大丈夫という雰囲気を作り出せます。
例えばピーチでは「機内食に神戸牛を使ったメニューを提供したい」というアイディアが実際に実行されました。
それまで神戸牛を使った機内メニューを提供した航空会社はありません。
しかし、実現できるかどうかは度外視して、提案実行したことで、社員にアイディアを出しやすくなる風土ができたそうです。
馬鹿らしいと思われないムードを作ることが、多数のアイディアを生み出す秘訣とも言えるでしょう。