空港という場所には、目に見える仕事のほかにも、飛行機を安全かつ正確に運航させるための多くの職種が関わっています。チェックインカウンターや搭乗ゲートで活躍するグランドスタッフも、その一員としてさまざまな職種の人たちと連携しながら仕事をしています。普段は乗客から見えないところで、どのようなやり取りや協力が行われているのでしょうか。
■グランドスタッフと連携する人たち
グランドスタッフが日々関わる職種の中でも、特に密に連携を取るのが
「グランドハンドリングスタッフ」です。
彼らは飛行機の地上支援を担当し、無線でのやり取りを通じて
搭乗開始のタイミングや荷物の積み込み状況などを共有します。
また、キャビンアテンダントとも搭乗ゲートで顔を合わせ
特別対応が必要な乗客情報を伝えたり、フライト後にはドアオープンの合図や
機内での異常の有無を確認したりと、細やかな連携を取っています。
チェックインがぎりぎりになってしまった乗客がいる場合には
手荷物検査場の係員に優先的な検査をお願いすることもあります。
空港内の設備や場所について尋ねられた際には、総合インフォメーションのスタッフに
確認に走ることもあり、空港全体を巻き込んで対応する姿勢が求められます。
さらに、搭乗口から飛行機まで距離がある場合には
乗客を運ぶリムジンバスのドライバーと連絡を取り合い、安全でスムーズな移動をサポートします。
国際線を扱う空港では、税関職員や入国審査官など
国家公務員とも業務上のやり取りが生じることもあります。
■空港という職場の魅力と“出会い”の瞬間
一日の勤務を通して多くの人と関わることができるのは
空港で働く大きな魅力の一つです。
業務を通じて自然と人間関係が広がり、時には思いがけない出会いが生まれることもあります。
いわゆる“職場恋愛”という言葉があるように、空港では仕事を通じ
て新しいご縁が生まれるチャンスが少なくありません。
「実は彼とはお客様として知り合ったんです」と微笑むグランドスタッフもいれば
搭乗ゲートで名刺を渡されて交際が始まるケースもあるそうです。
中でも意外と多いのが、パイロットとグランドスタッフのカップルです。
「一体どこで接点があるの?」と思うかもしれませんが、そのきっかけは意外なところにあります。
大手航空会社では、自社でパイロットを養成する制度があり
訓練生(通称P訓)は新卒で入社したのち、社会人としての基本を学ぶために
半年ほど空港や営業所で研修を受けます。
その期間中、訓練生はグランドスタッフのもとで接客や運航サポートの実務を経験し
現場でのコミュニケーションを学びます。
こうした研修の中で、自然と交流が生まれるのです。
私の同僚の中にも、研修中に出会ったP訓の方と結婚した人が何人もいました。
■同じ空の下で働く仲間として
航空業界は広いようで狭く、他社の社員同士で結婚するケースも珍しくありません。
空港という職場には、緊張感のある業務の中にも人と人との温かいつながりがあり
同じ空を支える仲間としての絆が育まれています。
毎日多くの人々が行き交う空港の裏側では、目に見えないチームワークと
そこで生まれるさまざまな人間ドラマが息づいているのです。










