飛行機は空高く飛ぶ乗り物だからこそ
「雷が落ちたらどうなるの?」「ブラックボックスは本当に壊れないの?」
といった疑問を抱く人も少なくありません。
実は、飛行機には過酷な環境でも安全を確保するためのさまざまな工夫が施されています。
今回は、雷への対策やブラックボックスの仕組み、ボイスレコーダーの役割
そして旅客機の寿命についてわかりやすくご紹介します。
■飛行機に雷が落ちても大丈夫なの?
飛行中の飛行機は、空気との摩擦によって機体に電気を帯びやすく
雷が落ちやすい状態になります。
しかし、雷が直撃したからといって機体が炎上したり
乗客や乗員が感電したりすることはほとんどありません。
その理由は、雷の電流が機体の内部ではなく
金属製の外側を流れて機外へ逃げる仕組みになっているためです。
飛行機は金属で覆われた構造であり、電流が内部へ伝わりにくい
「ファラデー・ケージ」と同じ原理で守られています。
とはいえ、雷が飛行機にとって無害というわけではありません。
雷雲付近では強い乱気流が発生しやすく
強烈な閃光でパイロットの視界が妨げられることもあります。
また、電子機器に影響が及ぶ可能性もあるため
飛行機はできる限り雷雲を避けて飛行しています。
■ブラックボックスは本当に壊れない?
航空事故が発生すると、事故原因を調べるために
ブラックボックスの回収が行われます。
内部には飛行データや操縦室での会話が記録されており
事故の経緯を解明する重要な手掛かりとなります。
なお、「ブラックボックス」という名前ですが、実際の本体は黒色ではありません。
事故現場で見つけやすいよう、鮮やかなオレンジ色や黄色に塗装されています。
ブラックボックスは非常に頑丈に作られており
約1,100℃の高温に30分以上耐えられる構造です。
さらに、全方向から1万Gを超える衝撃にも耐えられるよう設計されており
水深約6,000メートルの水圧にも耐えられます。
また、48時間以上水中にあっても内部へ浸水しない高い防水性能を備えています。
万が一海へ沈んだ場合でも、約30日間にわたり音波信号を発信し続けるため
捜索隊が位置を特定しやすくなっています。
■ボイスレコーダーには何が記録されている?
ブラックボックスには、「コックピット・ボイスレコーダー」と
「フライトデータレコーダー」の2種類の装置が収められています。
フライトデータレコーダーには、高度や速度、機首の向き、加速度など
飛行状態を示すさまざまなデータが保存されます。
一方、コックピット・ボイスレコーダーには、操縦室での
乗員同士の会話や管制官との無線交信、乗客へのアナウンス
着陸支援装置の音などが録音されています。
かつては録音媒体としてエンドレステープが使用され
古い録音を消しながら常に最新の約30分間を保存していました。
しかし現在ではデジタル方式へ移行し
最低でも約2時間分の音声を記録できるようになっています。
そのため、事故前の状況をより詳しく分析できるようになりました。
■旅客機は何年くらい使われる?
旅客機は定期的な点検や整備を続ければ
およそ50年にわたって運航することも可能です。
ただし、機体が古くなるほど整備費用は増えていくため
性能だけでなく経済性も考慮して更新時期が判断されます。
一般的には、旅客機の経済的な寿命は約25年とされています。
整備費が新しい機体の導入コストを上回るようになると
多くの航空会社は機材を更新します。
とはいえ、すべての機体が25年で引退するわけではありません。
後継機の導入状況や航空会社の事情によっては
30年以上運航を続けるケースもあります。
また、旅客機としての役目を終えた機体が
貨物専用機として第二の活躍を始めることも珍しくありません。
特に大型のワイドボディ機は積載能力が高く
旅客輸送を終えた後も物流の現場で長く活躍しています。










