旅行好きな人にとって、航空会社を選ぶ際に当たり前のように選択肢に含まれるLCCですが、まだ利用したことがない、利用するのに不安を感じるという方も少なくないようです。
システムが分からないから、利用したことがない。
何となく不安を感じるからと避けてしまっている人もいるようです。
旅慣れている人にとっては今更当たり前のことを……と思われるかもしれませんが、LCCについて、今一度、しっかりおさらいをしておきましょう。
LCCとANA・JALの違いとは?
LCCは「安い」。
だから「サービス内容も劣る」と考えていませんか?
しかし「サービス内容も劣る」から「安い」のではありません。
特急電車と普通電車では、A地点からB地点にかかる時間が違います。
後から出発した特急電車でもスピードが速いため普通電車よりも早く目的地に到着するのも当然です。
この速い電車に乗るために特急券が必要と言われても、当然だと思うでしょう。
しかし飛行機は違います。
例えばANAやJALを利用したとして…
ファーストクラスの高い運賃を払った人も、エコノミークラスの安い運賃でも早く到着できるわけではありませんし、自然条件(乱気流による揺れ)などを回避できるわけではありません。
上級クラスと下級クラスの差は座席の座り心地や、機内食の質といったサービスの違いでしかつけられません。
座席をいくつかのクラスに分ける以上、座席とサービスは個人で決めることができません。
「ゆったり座りたいけど、機内食はいらない」とか「シートは狭くてもいいけど、機内食は良いものを食べたい」
という細かい個人個人の要求には答えてくれません。
ANAやJALでは最初から手厚いサービスが用意されている一方で、サービスを利用しなくても料金が必ず発生してしまいます。
機内食を辞退しても、お茶を何杯飲んでも同額運賃になります。
手荷物運賃も無料で預けられる一方で、受託手荷物がない人も、30kgの荷物を預けた人も一緒の料金になってしまうのです。
LCCはコストを下げるために余計なサービスはありません。
しかし必要に応じて追加でサービスが購入できるのです。
自分が使うサービスだけにお金を払い、自分が使わないサービスにはお金を払わない。
だから自分に必要な最小の料金で飛行機を利用することができるのです。
ANA・JALはコース料理、LCCは一品料理
大手航空会社とLCCの違いはコース料理専門店か一品料理を出す店の違いのようなものです。
飲み放題、食べ放題付きの料理を出すお店では、「これが嫌いだから別の物に取り替えて欲しい」とか「私はアルコールを飲まないから料金を安くして欲しい」という要望を出すことはできません。
沢山食べた人も、お酒をほとんど飲まなかった人も同じ料金です。
沢山食べて、沢山飲めばお得ですが、ほとんど食べずに、ほとんど飲まなければ損をします。
一方、一品料理のお店は沢山食べて、沢山飲めば料金が高くなります。
しかし自分に必要な分だけ注文して、必要な分だけ飲食すれば安上がりになります。
どちらが優れていて、どちらが劣っているということはありません。
自分の求めるものに合うか合わないか、それを基準に選べば良いのです。