空港という場所は、航空会社のスタッフだけで成り立っているわけではありません。
旅客の目に触れる場所から、少し視線を外したところまで
多様な立場の人々が関わり合いながら、ひとつの巨大な運航システムを支えています。
ここでは、グランドスタッフの視点から見た、比較的身近でありながら
役割の異なる三つの職種をご紹介します。
■ラウンジスタッフ
空港内のラウンジには、航空会社が自社の上級顧客向けに運営するものと
空港ビル会社やクレジットカード会社などが運営するものがあります。
航空会社ラウンジでは、搭乗前のくつろぎ空間を提供するだけでなく
チェックインや乗り継ぎの相談に応じるなど
フライトまでをスムーズにつなぐ役割も担っています。
一方、カードラウンジなどでは派遣会社を通じて雇用されたスタッフが
勤務することが多く、グランドスタッフではないため搭乗手続き業務は行いませんが
丁寧な接客で旅客を迎えています。
空港そのものが好きな人や、将来グランドスタッフや
キャビンアテンダントを目指す人が多く集まる職場でもあります。
■インフォメーションカウンタースタッフ
空港の総合案内カウンターでは、施設案内にとどまらず
市街地へのアクセス方法、周辺観光、宿泊施設まで、非常に幅広い情報を扱っています。
その情報量の多さから、実はグランドスタッフが業務の合間に
以前対応できなかった質問内容を確認しに立ち寄ることもあります。
また、航空会社を問わない時刻表などは、自社便以外のスケジュールを
把握する際に重宝され、制服のポケットに忍ばせているスタッフも少なくありません。
採用形態は空港ごとに異なり、大規模空港では空港ビル会社が
直接採用する場合もあれば、中小規模空港では派遣スタッフが担うケースもあります。
共通して求められるのは、安定した接客力と実用的な語学力です。
■ショップスタッフ
空港には免税店をはじめ、レストランやスイーツショップなど
多彩な店舗が並んでいます。
そこで働くショップスタッフの中にも、飛行機を身近に感じながら
旅の一場面を彩りたいという思いを持つ人は少なくありません。
搭乗前後の限られた時間の中で、買い物や食事を楽しむ旅客に寄り添う接客は
空港ならではの仕事といえるでしょう。
余談ですが、空港関連企業で働くスタッフ向けに
館内店舗では特別メニューや割引が用意されていることもあり
休憩時間に少しお得な楽しみを味わっています。
もし空港で航空会社スタッフの隣に座ることがあれば
そっとメニューをのぞいてみると、少し違いが見えるかもしれません。
■まとめ
ここまで「空港で働くプロフェッショナル」をグランドスタッフの視点から
ご紹介してきましたが、想像以上に接点の多い職種が存在することを
感じていただけたのではないでしょうか。
空港は、一般企業では考えられないほど多種多様な専門職が集まり
互いに役割を理解しながら協働する場所です。
すべてのスタッフが、安全に、定刻に飛行機を運航させるという共通の使命を胸に
強い緊張感をもって現場に立っています。
その真剣さゆえに、時には厳しい意見が飛び交うこともありますが
妥協の先にあるのはお客様の不利益であり、決して軽い責任ではありません。
そうした覚悟を共有する人々の連帯感こそが
空港全体を支える大きなチームプレーを生み
日本の空港が世界的に高く評価される理由の一つなのだと思います。










