「飛行機は怖いから嫌い」と言う方がいます。
しかし飛行機は他の乗り物に比べて、とても安全な乗り物なのです。
例えば、自動車事故で死亡する確率は1/5000ですが
飛行機事故で死亡する確率は1/11000000です。
雷で打たれて死ぬくらいレアなケースといえるでしょう。
普段、当たり前のように乗っている車の方が
飛行機よりずっと危険な乗り物と言えるでしょう。
では、なぜ飛行機はそんなに安全な乗り物なのでしょうか?
これは多くの人たちが飛行機を安全に運航させるために努力しているからです。
■空の司令塔/航空管制官
航空管制官は混雑する航空機を順番に離着陸させ
目的地の空港まで安全に飛行できるよう指揮を取っています。
どんな飛行ルートを取るのか、高度やスピードはどうするのかといった指示を出しています。
特に飛行場の周りは高速で運行する飛行機が飛び交っています。
混雑する時間帯には超過密状態です。
そんな飛行機同士が万が一にもニアミスしないように地上から適切な指示を出しているのです。
日本でもっとも忙しいとされている羽田空港の航空管制官は年間40万回を超える
離発着を効率よく運航しています。
■防犯スペシャリスト/空港警備派出所
飛行機を安全に運航させるためには、飛行機に忍び寄る脅威にも目を光らせなければいけません。
そうした役割を担っているのが、防犯や専門の専属舞台です。
例えば空港には都道府県警が空港内に設置した「空港警備派出所」があります。
大規模な空港には「空港警察署」もあります。
主な業務はパトロールや駐車違反摘発などですが、違法薬物や銃器に加え
ワシントン条約で禁止されている希少動物の密輸入防止なども担っています。
更に羽田空港には「東京国際空港テロ対処部隊」という組織が配備されており
テロやハイジャックといった重大事件の防止や対処を担っています。
■大規模火災を防ぐ/空港消防部隊
万が一空港で事故が起きると大型航空機が絡み、大規模になってしまうでしょう。
そこで飛行機事故に備えているのが「空港消防」です。
航空機災害に特化した部隊で、空港自体が組織していることがほとんどです。
成田空港の場合、化学消防車6台、給水車3台、泡原液タンク車、救急車など
合計18台の車両が空港の安全を守っています。
もしも火災が起こっても事故現場まではわずか3分で到着できるのです。
■離着陸を支える/保守点検部隊
飛行機の離着陸を安全に行うために欠かせないのが滑走路のメンテナンスです。
滑走路上に小石や砂があるとタイヤのパンク、エンジンの故障につながってしまいます。
そこで滑走路は定期的に清掃車が掃除をしています。
また滑走路の路面上にタイヤと舗装面の間で摩擦熱が生じ
タイヤのゴムが焼き付き路面に残ることがあります。
そのままにしておくとスリップの原因となってしまうため
飛行機の飛ばない深夜に超高水圧でゴムの除去が行われています。
こうした地道な作業を行っているのが保守点検部隊です。
この他にも多くの人たちが、我々が知らないところで空港の安全を守っているのです。
だからこそ私達は何の心配もすることなく、飛行機に乗ることができるのです。