飛行機が着陸すると、駐機場所に停止する直前に
機体の前でリフトを積んだトラックがあり、そのリフトの上には
人が乗って手旗を振っている光景を見れることがあります。
この手旗を振っている人は一体どういう目的で旗を振っているのか、
枠割や名称を含めて詳しく見てみましょう。
■マーシャラーの役割
リフトに乗って手旗を振って飛行機に合図を送っている人を
「マーシャラー」と呼びます。
マーシャラーは滑走路に着陸してきた飛行機を、決められた位置の
スポットに導いていく役割を担っています。
飛行機は着陸して滑走路からエプロンへと進むと、
ブリッジに繋がれたり決められたスポットに駐機したりするために、
空港内を移動しますが、この移動を手助けするのが
マーシャラーなのです。
■マーシャラーが手に持っているのは実は手旗ではない
先ほどから手旗、手旗と言っていますが、実はマーシャラーが持っているのは
手旗ではなく卓球のラケットを大きくしたよなパドルと飛ばれるもので、
飛行機のパイロットからよく見えるような形状になっている。
マーシャラーはパドルを使って、前進や左旋回、減速などの合図を
コックピットに送ります。
飛行機を最後に停止させる際には、パドルを頭上で交差させることで
停止の合図となります。
パイロットから見えやすい位置にいなければならないので、
マーシャラーはリフトに乗っていることが多いのです。
■機長によって機体の動作には癖がある
同じ機体でも操作する機長によっては、前進の仕方、停止の仕方などに
ある程度の癖があるので、マーシャラーは機長の動きに合わせて合図を送らなければならない。
マーシャラーの仕事は、最終的に機体が停止したら終了となるが、
そのためにはマーシャラーが停止の合図を出してから、別のスタッフが
車止めをして機体が止まったのを確認したら、マーシャラーが胸元でパドルを
交差させて駐機作業がすべて完了した旨を機長へ伝えます。
それを確認した機長が了解の合図を出せば、それでマーシャラーの作業は完了となります。
■マーシャラーはグラウンドハンドリングの一員である
マーシャラーや車止めのスタッフ、ブリッジに機体をつなぐ人など
これら全員がグラウンドハンドリングと呼ばれる空港内での作業を行う要員です。
グラウンドハンドリングには他にも、手荷物や郵便物、コンテナなどの運搬、積み下ろしを
行なったり、客室の清掃などをする役割も担っている。
旅客機を離陸のためにプッシュバックするトーイングカーの操縦も、
このグラウンドハンドリングに含まれています。
■グラウンドハンドリングは過酷な作業
グラウンドハンドリングは屋外での作業がメインになることが多いので、
天候によっては非常に過酷な作業になってしまうことがある。
雨が降っているからと言って傘を差しながら作業ができるわけではないし、
炎天下での作業だからと言って作業しなくていいわけでもありません。
飛行機を時間通りに離発着させるためには、グラウンドハンドリングの役割は欠かせません。
時間通りに、ミスなく作業するという意味でも、非常に重要な役割を担っており
空港はもとより飛行機の安心安全に必要不可欠なのです。
それゆえに非常に過酷な作業でありながらも、ミスが許されないという
空港スタッフの中でも常に気の抜けない仕事であると言えるでしょう。