ドイツにある高速道路「アウトバーン」は、戦時下などの緊急事態に限って
滑走路として使用できるよう設計されていると言われています。
日本にはそのような道路というのは存在していません。
海外では飛行機トラブルの際に、高速道路に緊急着陸したという
ニュースが飛び込んでくることもあります。
とはいえ、それは小型機に限ったもので大型旅客機ともなれば
そう簡単に着陸はできす現実には不可能だと言っても良いでしょう。
■着陸時の衝撃に耐えられない
大型旅客機が着陸する場合、車輪にかかる重量はスピードが時速200キロだとすると
約200トンにもなるので、一般の舗装道路では幅や直線距離が十分であっても、
その衝撃に耐えられるような道路は日本に存在してないのです。
一般的な道路は高速も含めてアスファルト舗装されていますが、
その厚みはたかだか数センチにしかすぎません。
滑走路の場合は同じくアスファルト舗装されているわけですが、
その厚みは2~3メートルもの厚みがあります。
しかもその舗装は何度も何度も重ねるようにして、強度を増しているのです。
■強度ではアスファルトよりコンクリート
強度という面で見れば、アスファルト舗装よりもコンクリート舗装のほうが、
優れているわけですが、メンテナンスに時間がかかることから
多くの空港ではアスファルト舗装が採用されています。
自衛隊機などが使う特殊な滑走路のみコンクリート舗装となっており、
日本ではアスファルト舗装が一般的です。
■埋め立て地にある空港はさらに強固
羽田空港や関西国際空港のように海を埋め立てて造成した空港では、
地盤強化のために数十メートル下まで補強工事が行われており、
一般的な道路舗装とは比べ物にならないほどの強度を誇っています。
■雨などのスリップも考慮している
雨が滑走路にたまることによって車輪がスリップしないように、
滑走路は中央部分が高くして両端が低く設計されています。
そうすることで水がたまらないようにしているのです。
それに加えて水はけをよくするために、路面には細かい溝が
斜めに刻まれています。
■まとめ
このように空港は舗装1つとっても、さまざまな安全安心の対策がされており
一般道や高速道路と比べても非常に耐久性が高い設計となっているのです。
ですからジャンボジェットのような大型旅客機が一般道や高速道路に
着陸するというのは現実的ではないのです。
本当に緊急時ともなれば道路ではなく、水位の低い河川敷などに
リスクを承知の上で着陸するなどはあり得るかもしれません。
映画のように広い道路に着陸して全員無事に帰還!などというのは、
夢物語と言えるでしょう。
もし大型旅客機が車の一切は知っていない、幅や直線を満たした高速道路に
着陸を試みたとすれば、アスファルト舗装は設置した瞬間に崩壊し、
それに巻き込まれるように飛行機の車輪が崩壊し、機体はバランスを崩して
あられもない方向に予想外の回転をしながら飛んで行ってしまうでしょう。