コンソール業務は、空港運営における重要なバックオフィスの仕事です。
この職務を担うスタッフは、フライトの運航に関する全ての情報を把握し、
的確な判断で業務を円滑に進める役割を担っています。
今回は、この業務の裏側に迫り、その重要性と担当者が持つべきスキルについて探ります。
■コンソール業務の仕組みとフライト運航の調整
コンソール業務とは、フライトに関するすべての調整を担当する
いわばバックオフィスの司令塔とも言える役割です。
実際には、デスクインチャージと呼ばれるリーダーの下で
数名のスタッフが連携して業務を進めます。各フライトごとに担当デスクが決まり
そのデスクがフライト準備から出発、さらには到着までに必要な調整や指示を出すのです。
たとえば、飛行機に軽微なメンテナンスが発生して出発が遅れる場合、
まずは整備担当者から情報を受け取り、出発予定時刻の調整を行います。
その後、チェックインカウンターやゲートスタッフへの指示を迅速に行い、
必要な部署に情報が行き届くよう手配します。これらの業務は、システムや無線、
電話、FAXを駆使してリアルタイムで行われ、フライト運航における重要な役割を果たします。
■担当デスクの役割:フライトの全貌を管理する
担当デスクは、通常、一定の経験を積んだスタッフが担当します。
多くのケースでは、入社してから数年を経たスタッフが
このポジションに就くことが一般的です。
そのため、フライトに関する知識や判断力はもちろん、迅速な対応が求められます。
デスク担当者の主な仕事は、フライトの準備から出発
到着までの全体の流れを把握し、調整を行うことです。
具体的には、乗客に特別なケアが必要な場合や、VIPの対応、
さらにはクレーム対応に至るまで、あらゆる情報を収集して管理します。
例えば、出発地や到着地でのデスクと連携し、乗客のケアスタッフを割り当てたり、
特別なサポートが必要な乗客への配慮を行ったりします。
また、航空機の駐機スポットの調整や貨物室の荷物バランスの確認、
さらには搭乗口に現れない乗客の荷物を調査するなど、運航全体を把握し、
現場スタッフへの指示を的確に出す役割も担います。
■スムーズな運航のカギを握る「デスクのリーダーシップ」
デスク担当者は、現場スタッフにとって非常に頼れる存在です。
特に、フライト運航に関わる情報が速やかに共有されることで、
現場でのトラブルが減少し、スムーズに業務が進行します。
例えば、到着便のドアオープン時、あるデスク担当者が
「シップサイドからベビーカーを使いたいお客様が複数います。
グランドハンドリングスタッフと協力して
ベビーカーを目立つ場所に配置しておいてください」と指示を出すことで、
現場のスタッフは事前に準備を整えることができ、混乱を避けることができます。
こうした情報をあらかじめ共有することで、現場はより効率的に、
乗客のニーズに対応することができるのです。
■高い専門性と柔軟な対応力が求められるポジション
デスクのポジションは、非常に高い専門性が求められる業務です。
経験豊富なスタッフが担当することが多いですが、
そのためには、単に知識が豊富であるだけでなく、臨機応変に状況を判断し
柔軟に対応できる能力が不可欠です。
フライトに関する全ての情報を管理し、速やかに関係者へ指示を出すことが求められます。
このようなバックオフィスの業務が円滑に進むことで
現場スタッフはより効率的に動け、乗客に対するサービスが向上するのです。
デスク担当者のリーダーシップが、空港全体の運営に
大きな影響を与えるのは言うまでもありません。
■終わりに:デスク業務の重要性とその影響
コンソール業務は、空港運営の中でも非常に重要な役割を担っています。
デスク担当者がどれだけ的確にフライト情報を把握し、現場スタッフに指示を出すかが
空港全体の効率や、乗客に提供するサービスの質を左右します。
そのため、業務には高い専門性と柔軟な対応力が求められます。
現場のスタッフや乗客にとって、デスク担当者の存在は非常に頼りにされており
その役割が空港運営に与える影響は計り知れません。
優れたデスクのリーダーシップが、フライト運航を円滑に進め
空港全体の運営を支えているのです。