コックピットの会話は飛行機事故が発生した場合に、原因究明の1つとして非常に重要な役割があります。
その会話は「ボイスレコーダー」に記録されており、飛行機が墜落するような大惨事に見舞われても、頑丈なブラックボックスに格納されているので大半のケースでは無傷で回収できる。
■すべて録音している
ボイスレコーダーには、コックピット内の会話を飛行機のエンジンスターとから、停止までの間のすべてを録音しています。
重大な事故が発生した場合は、このボイスレコーダーの内容からコックピットクルーたちの会話を再現することで事故の原因究明に使用します。
すべて録音するのは、何か一つでも重要な情報を取りこぼさないようにするためであり、飛行機の安全な運行のためには欠かせないものなのです。
■最新技術で計器類も含め全て記録される
最新の航空機では、コックピット内の全ての計器の操作が、リアルタイムで地上へ送信されて記録されます。
地上からはそれらを確認することで、飛行中にどのような操作がされているかを、リアルタイムで把握可能となっているのです。
この計器類の操作ログとボイスレコーダーを照合することで、その時どのような操作が行われ結果としてどうなったのか、どうしてそのような判断を行ったのかが分析でき、万が一事故が発生した場合に解明されていきます。
■ボイスレコーダーの公開
ボイスレコーダーの内容が公開されるタイミングは千差万別です。
事故発生直後に公開されることもあれば、10年以上経過してから公開されるケースもあります。
日本人が起こした事故でパイロットのボイスレコーダーが公開されたケースは非常に少ないのですが、代表的なものに1985年8月12日に発生した、日航機ジャンボジェット123便の墜落事故があります。
この墜落事故時に録音されたボイスレコーダーの中身は、非常に生々しく緊迫した状況が見て取れました。
公開されたのは事故後17年たってからのことですが、そこには墜落する寸前まで必死に何とかしようと格闘した3人の音声が記録されていました。
■ボイスレコーダーの役割
ボイスレコーダーは単にコックピット内の音声を録音するだけではなく、その内容を分析することで飛行機の安心、安全な運行を実現しているのです。
飛行機の安全を守るためは、様々な工夫がなされています。そしてそれは、人が人を安全に目的地まで運ぶという使命を全うするためにあるのだと再認識させられます。
公開されたボイスレコーダーは誰でも聞くことができます。非常に生々しいので音声を聞く際には、一人で聞くのは避けたほうがいいかもしれませんね。