国際線と国内線で決定的に違うのは、時差が存在するかしないかです。
日本からヨーロッパ、北米、南米に旅行するときは、時差が大きくなり
場合によっては1日以上のズレが出るわけです。
時差は時計を合わせるという作業が必要になります。
乗客であれば、自分の手元にある時計を時差に合わせるだけで
解決しますが、刻々と時間が変化するコックピットはどこの時間に
なっているのでしょうか?!
時差が発生するフライトの場合、どのタイミングでどういう形で
時間の調整をしているのか見てみましょう。
■ターゲット時間は世界標準時
どの国際線でもコックピットの時刻は、世界標準時となっている。
日本を飛び立つときも、ヨーロッパの上空にいても
どこにいてもコックピットと管制業務で使用する時刻は
全て世界標準時なのです。
■世界の時間は24のゾーンに分かれている
地球は24時間で1日を刻み、1回自転します。
360度を24で割ると15になり、15度単位で1時間ズレが出る計算です。
この計算で行くと、世界は24のゾーンに分かれていて
日本の場合は兵庫県明石市にある子午線東経135度が標準時となっています。
ロンドンにある世界標準時から見ると、何と9時間も時刻が進んでいるのです。
なので日本からアメリカに向けて日付変更線を跨いで移動すると、
1日前の時間に戻る計算になります。
逆にアメリカから日本に戻ってくると、1日時間が進んでいる状態になります。
世界の24ゾーンはそれぞれアルファベッドが割り当てられていて、
日本はIゾーンに当たります。
■混乱を避けるためにコックピットは世界標準時
もしコックピットの時間が24ゾーンに合わせて変化していくとすれば、
混乱の元になります。
世界の時間はゾーンによって異なるので、コックピットの時間は
その混乱を避けるために世界標準時を採用しているのです。
■国内線でも世界標準時
国内線は時差が発生しませんが、扱っている時刻は世界標準時です。
しかしこれだと不便ですよね。
なので、日本の航空機は世界標準時とは別で日本標準時も管理しており
双方の時間を使って運行しています。
両方の時間があると混乱してしまうのでは?と思うかもしれませんが、
国内線は基本的に日本時間で運行されるので、混乱は生じません。
■まとめ
飛行機のように国境を越えて移動する場合には、このように
時間の概念すら想定して運行しなければなりません。
乗客である私たちは、時計の針を合わせるだけで済みますが、
飛行機のコックピットとなるとそう簡単ではないようです。
可能な限り定刻通りに目的地へ到着するためにも、時間管理は欠かせません。