飛行機の離着陸時に、水が耳に入ったときのように詰まったような感じがしたり、痛みを感じたりすることがあります。
飛行機の離着陸で赤ちゃんが泣くことが多いのも、これが原因です。
これを航空性中耳炎と呼びます。
■航空性中耳炎が起こる原因
鼓膜の内側にある中耳腔という小さい部屋は、耳管によって喉頭に繋がっています。
耳管が開放されることで、外部の気圧と中耳腔の気圧が一定に保たれる仕組みです。
しかし、山に登った、列車がトンネルを通った、飛行機の上昇・下降など急激な気圧の変化があると
耳管が閉じたままになってしまい、耳の中で鼓膜の内と外の気圧に差ができます。
上昇するときには、鼓膜の内側の気圧が外側に比べて上がるために、鼓膜が外に向かって膨れてしまいます。
逆に下降するときには、耳の内側の気圧が外側に比べて低くなり、鼓膜が中に引っ張られます。
これが症状の原因です。
■主な症状
軽度の場合には、耳が詰まるような感じや軽い痛みが起こります。
症状は数分~数時間で自然に治ります。
重症になると、激しい耳の痛み、耳鳴りに繋がり、鼓膜が敗れるケースもあります。
■悪化の原因
悪化の原因となるのが風邪や花粉症などのアレルギー性鼻炎です。
鼻の粘膜が腫れて耳管が開かなくなり、中耳が炎症を起こしてしまうのです。
旅行前に風邪(鼻水、喉の痛み、くしゃみ)やアレルギー性鼻炎(くしゃみ・鼻水・鼻づまり)がある場合には
事前に治療を受けてしっかり症状を緩和させておくことが大切です。
治療が十分で無い時に、どうしても飛行機に乗らなくてはいけない場合には
着陸の前、離陸の前に薬を服用して症状をできるかぎり抑えておくことも大事です。
■症状を予防する方法
軽い症状を感じたら、唾を飲み込んだりあくびをすると、耳管が一時的に開放されて
空気が中耳に送られて気圧がおなじになり鼓膜の状態を元に戻せます。
飴を舐めたり、ガムを噛んだり、水を飲むのでもOKです。
バルサルバ法といって、耳抜きをしたり、首を左右に振ったり、顎を上下に動かすのも効果があります。
また耳が痛くなりやすい人は離着陸時に起きておくのもポイントです。
眠っていると唾を飲む回数が減ってしまうため、症状が知らない間に悪化しやすくなります。
しっかり起きて、予防をしましょう。