今のうちにおさらいしたい世界遺産と歴史 ④デル・モンテ城

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プーリア州アンドリア市街は南イタリア、ちょうど長靴のかかとの辺りにあります。
そこから南へ20kmほどのアルタムルジャ国立公園の標高540mの小高い丘にあるのが
ちょっと美味しそうな名前の世界遺産「デル・モンテ城」です。
なんだかトマトケチャップを思わせる名称でイタリアン料理が食べたくなりますよね。
でもこちら、れっきとした世界遺産です。

正式名称は「カステル・デル・モンテ」。
「カステル」は城、「モンテ」が山で「山の城」、直訳すると「山城」というそっけない名前ですが
神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2世にまつわるお城で映画や日本のアニメに登場したこともある有名な名城です。
イタリアユーロの1セント硬貨に描かれるお城です。
日本でいうと平等院鳳凰堂のような存在でしょうか。
今回はそんなデル・モンテ城をご紹介します。

なんのために建てられたお城なの?

実はデル・モンテ城ですが、なんのために建設されたのか分からないんだそう。
800年前に建築されたことは分かっているのですが
礼拝堂や厨房、貯蔵室がないのに、水洗トイレや浴室があるという不思議な作りなのです。
普通、戦いのためなら防御施設があるはずですが、戦いにくい構造となっており戦のためではなさそう。
逆に居住のためなら、居住向きの部屋や設備があるはず。
現在、最も有力な説は鷹狩や接待のための別荘だったというものなのです。

お城全体が正八角形にこだわって作られている

デル・モンテ城は上空から眺めると56mの正八角形の各角に正八角形の等があり
中庭も正八角形という形をしています。
随所に黄金比が用いられ、夏至の日には中庭から真上に北極星が眺められる作りです。
見事に数学的要素と天文学的要素が組み合わさった作りとなっています。

城全体は石英を含んだ石灰岩の巨大な化粧ブロックでできています。
天気の良い日に日光がお城にあたるとキラキラ輝いてより美しく見えます。
残念ながら城の内部は略奪や破壊行為などによりほとんど残っていません。
きっと当時は豪奢な飾り付けがしてあったのでしょう。

もともと「8」という数字はキリスト教では「イエスの復活」を意味する数字です。
またイスラム教では天国を表す吉数です。
このお城はイエスの死と復活を意味ために八角形にこだわって作られたのでしょう。
地上階に8部屋、2階8部屋、全ての部屋の装飾や柱頭にも8枚の葉や花びらをあしらわれています。

フリードリヒ2世という名君

フリードリヒ2世は父ハインリッヒ6世からドイツ王位を、母コンスタンツェから
シチリア王位を継いだ神聖ローマ帝国皇帝です。
幼い頃から優秀で先進的な考え方をする名君として知られた人物で
アラビア語やラテン語など6ヶ国語を話せたそうです。
彼は「王座上の最初の近代人」「世界の驚異」と称されたほど賢く
早く生まれすぎた皇帝、中世で最も進歩的な君主とされる人物です。

それほど賢い人物だった彼は1229年には十字軍遠征でイスラム教国アイユーブ朝の君主
アル・カーミルと和解を成立させ、エルサレム王ともなった唯一の皇帝です。
キリスト教の十字軍とイスラム軍によるエルサレムをめぐる戦いにおいて
イスラム文化の高度さに驚き、戦いが無益だと悟り、デル・モンテ城城を築いたとされています。

イスラム文化への愛は確かで、19世紀にフリードリヒ2世の遺体が学術調査を受けました。
その棺の中に眠る彼はイスラム風の衣装を身にまとっていました。
シャツの袖にはアラビア語で「友よ、寛大なる者よ、誠実なる者よ、知恵に富める者よ、勝利者よ」という
アル・カーミルに向けられた言葉が刺繍されていました。

デル・モンテ城はイスラム文化を多く取り入れている

デル・モンテ城にはイスラムの進んだ文化と技術も取り入れられています。
屋根の貯水槽に貯まった雨水を各部屋に供給するシステムなどがそれです。
そもそもお城の形自体がヨーロッパ建築では見られない正八角形ですが
これもエルサレムにあるイスラム教の聖地で八角形の岩のドームを見て
その美しさに影響を受けたためとされています。
お城はキリスト教の聖地シャルトルとイスラム教の聖地メッカを結ぶ直線状にあります。
ただ、城の完成後ホーエンシュタウフェン家は間もなく没落してしまったため
フリードリッヒ2世がこの城を狩猟に使えたのかどうかは分からないんだそうです。