飛行機のあまり知られていない情報として、最大着陸重量、最大離陸重量
という機体の重さに関する規定があります。
それぞれ離陸と着陸に関する規定となりますが、これを守らないと
大事故に発展することがあります。
では、それぞれの規定の内容と、どうしてそれらの規定があるのか見てみましょう。
■最大離陸重量
最大離陸重量というのは、これはどれだけの重さを運ぶパワーがその機体にあるか
を示しており、エンジンの性能、出力によって決まります。
つまり、どれだけの最大でどれだけの人数を乗せ、どれだけの荷物を乗せて
飛ぶことができるかという規定になります。
機体の重さがこの最大離陸重量を超えてしまうと、離陸時にエンジンパワーが不足し
正常に離陸できず、最悪の場合は事故に繋がってしまいます。
■最大着陸重量
これは着陸するときにその重さまでであれば着陸可能という上限を示しています。
機体が重すぎると着陸したときの衝撃が強くなり、タイヤや脚が過重に耐えられず
地面に衝突してしまいかねません。
これも飛行機毎に決められており、重量オーバーしていると着陸は許可されません。
■出発してすぐにUターンする場合
何らかのトラブルなどで離陸してすぐに着陸しなければならない場合、
機体は最大着陸重量をオーバーしている可能性が高くなります。
そのままでは着陸したくても、できない状態となります。
そこで行なわれるのが、燃料タンクにある不要な燃料を放出する機能です。
一般的に飛行機は目的地までに燃料を消費し、最大着陸重量よりも
機体が軽くなりますが、トラブル時はそれが叶わないため
あえて余っている燃料を空気中に放出して、機体を軽くするのです。
■両翼の先端から放出する
燃料の放出は両翼の先端部分から、空気中に向けて放出します。
燃料タンク内のポンプによって、圧力が欠けられて出ていく仕組みです。
大型ジャンボの場合、燃料を規程量まで放出する時間は
約15分程度とされており、放出完了するまでは上空を旋回することになります。
もちろん燃料の放出場所は市街地など人がいる場所を避け、
海上など人のいないところで行なわれます。
空気中に燃料を放出するとなれば、普通に考えれば大気汚染や
海への影響などを心配する方が多いのではないでしょうか。
そこは考慮されていて、燃料は放出される際にすぐに気化するため
大気や海への害は最小限に抑えられると言われています。
全く害がないわけではありませんが、許容される範囲に収まっているということです。
■燃料を捨てることも安全になる
このように最大離陸重量や最大着陸重量という規定がある事を知りました。
これらは、飛行機を安全に飛ばすために必要な規定となっており、
着陸するためにはやむを得ず燃料を捨てることもあるのです。
実際、両翼の先から燃料が放出されているところを観察することは難しく、
殆んどの人は見たことがないでしょう。
機会があれば見てみたいものですが、すぐに気化するので肉眼では分からないかもしれません。