飛行機の安全な運航を常にチェックしコントロースしているのが管制官です。
管制官は空港にある管制塔の一番上の階にいて、肉眼とレーダーを使って
期待の位置を確認しながら、離発着するすべての航空機を管理しています。
しかもその空港だけを管理するのではなく、日本列島上空の航空機は
すべて飛行状況を把握されています。
■飛行機に対する管制官の役割
管制官は離陸時、エプロンから滑走路に進入する許可を出したり、
どの誘導路を使用するか、いつ離陸するかなどのタイミングを指示します。
離陸した後は上空でのニアミスを防ぐために、航路に乗るまでは誘導を続けます。
着陸時は、空港に近づいた航空機に高度を下げるタイミングや、
どの滑走路に進入するかの指示をだします。
パイロットとのやり取りは全て専用の周波数を使った無線を通じて行われ、
言語は基本的に英語となっています。
■どうして英語でやり取りするのか
上空を飛行する航空機はすべて同じ周波数帯で管制官とのやり取りを行います。
そのため、自分たちの航空機以外のやりとりも無線として聞こえてきます。
そういったとき、それらの航空機がどこの国に所属するものであっても
内容を理解できるように英語で統一されているのです。
この航空機で使用する公用語が英語なのは、国際線だけというわけではなく
日本国内線の日本人管制官、日本人パイロット同士であっても、
英語でのやり取りを行います。
■英語能力は必須
このことから管制官やパイロットは英語能力が必須となっています。
英語でのコミュニケーション能力不足は、それだけで事故の発生原因となりますので、
2007年からは英語力強化の試験が管制官に課されることになりました。
パイロット側も英語力は要求されるので、同じように試験が行われます。
国内線に関しては日本語で話をすれば解決するのでは?と思うかもしれませんが、
国内線だから国際線だからと公用語を分けることのほうがリスクがあるのです。
■長時間の会話ではないところもポイント
管制官とパイロットの会話は長い会話をするものではなく、
その場その場に応じた指示を出すだけ、情報を共有するだけとなるので
シンプルな会話で終了することがほとんどです。
だらだらと会話をする必要もないので、むしろ英語のほうが伝えやすい
といったメリットもあるようです。
■緊急時の例外はある
日航機が御巣鷹山に墜落した事故では、無線の周波数を専用に切り替えて
その場で英語ではなく日本語でのやり取りに切り替えていました。
このように緊急時には例外として母語でやり取りすることもあります。
そのほうが非常事態の回避に支障がないと判断するからです。
例外的な処置はあるものの、基本の公用語は英語となっていることから
パイロットや管制官は英語が日常会話として支障のないレベルを満たしている
と考えていいでしょう。