突然、空に光が走り、ドーン!!という爆音と共に落ちてくる雷はとても怖いものです。
びっくりすることが苦手な方、大きな音が苦手な方にとっては
安心安全な家の中にいても、恐怖の対象なのではないでしょうか?
ましてや、家よりもはるか上空を飛んでいる飛行機に雷が落ちてしまったら?
想像しただけでも、バリバリと機体が裂けてしまうのでは?と、恐ろしくなるかもしれません。
実際、飛行機に雷が落ちることはあるのでしょうか?
また落ちた場合、安全性に問題はないのでしょうか?
■飛行機はレーダーで雷を避けている
雷が起きるということは、当然、周辺の天候も荒れているということです。
飛行機が乱気流に巻き込まれたりしないように、飛行機の先端には気象レーダーが搭載されており
これで雲や雨を避けて飛行しています。
気象レーダーは進路方向に雷雲がないか、電波の反射を使って確認しています。
常に行く先の天候を調べながら飛行しているので
目の前に雷雲があれば迂回するなどして雲を避けて飛んでいます。
このため基本的に飛行機が雷に接触するケースはかなり少なくなります。
■雷に強い金属ボディでできている
飛行機の機体はアルミニウムなどの金属で作られており、パーツがアルミニウムでない場合でも
骨組みの中に金属フレームや繊維が使われています。
そもそも金属には電気を外部に放出する作用を持っているため
万が一雷が飛行機に直撃したとしても、機内の乗客まで雷に打たれることはありません。
■静電放電装置で被雷をできるだけ避ける仕組みになっている
更に飛行機を雷から守るために取り付けられているのが「スタティック・ディスチャージャー」です。
これはいわゆる静電放電装置で、その名の通り、静電気を放出するための装置です。
形状としては太さ1cm程度の棒状のもので、機体によって30~50ほど取り付けられています。
飛行機は大気との摩擦で常に静電気が生じていますが、この機会が静電気を放出することで安全に走行できています。
飛行機に落雷があったときにも、静電気と同じようにこの装置が避雷針となって危険を抑える仕組みとなっています。
■雷を不安に思う必要はない
確かに、かつては雷による飛行機事故が起こったこともあります。
しかし現在では上記のように雷に対する対策がしっかり取られています。
飛行機に雷が直撃して、大事故に繋がるということはまずないので安心して空の旅を楽しんで下さい。