航空会社が飛ばしている旅客機というのは、必ずしも購入したものではありません。
自社で購入した旅客機で運航しているイメージがあるかもしれませんが、
実際には1機も保持していない航空会社も存在しています。
では、どこから旅客機を調達してるのか疑問が出てきます。
そのあたりを詳細に見てみましょう。
■多くの旅客機はリースされている
方法としてはリースすることです。
新規購入するとなると、購入費が必要となりますが
それだけでなく維持費や買い替えなどの莫大なコストがかかってきます。
これらは当然、利用者は支払う運賃で回収することになりますから、
自社で購入すればそれだけ運賃の競争力という点では不利になります。
ですから多くの航空会社は旅客機をリースします。
リースすれば初期投資にかかるコストを削減できるだけでなく、
次の新機種への切り替えもコストを発生させずにスムーズいなります。
リースには2種類があり、ファイナンスリースとオペレーションリースがあります。
それでは、それぞれのリースについて見てみましょう。
■ファイナンスリースとは
ファイナンスリースとは、航空会社の代わりに旅客機を購入して
それを航空会社にリースする手法です。
リース会社はリースしている期間中に、航空会社から購入代金や
手数料などを回収していきます。
当然リース会社としても途中解約させると被害が出てしまうので、
必要な機材も含め途中解約できないようになっています。
最終的に航空会社は新規に購入するのと同じだけの金額を払うことになりますが、
一括で購入することに比べればローン形式となるので、
初期投資にかかるコストを抑え収益を上げながら、リース代金を払うことができます。
さらに支払い条件などは交渉次第で柔軟にできるので、
そういう点でもファイナンスリースにはメリットがあると言えます。
■オペレーションリースとは
オペレーションリースは基本はリース会社が購入した旅客機をリースする
という点においてはファイナンスリース同じです。
違う点はリース期間にあります。
ファイナンスリースは長期契約になるのに対し、オペレーションリースは
一定期間だけリースする方式です。
例えば、繁忙期などのピーク時のみリースするといったような
必要な時だけ利用できる短期リースなどが、航空会社にとってのメリットになります。
リース会社側としては、同じ期待を複数の航空会社に短期間で回転させ、
効率的に購入時のコストを回収できます。
とはいえ受注製造のファイナンスリースに比べて、借り手がいない場合は
投資した機材のコストがリース会社の負担となってしまうリスクがあります。
■他にもあるリース方式
ファイナンスリースとオペレーションリースが主流になっていますが、
他にもリースの方式があります。
例えば、他の航空会社から期待のみを借りるドライリースや、
乗務員もセットで借りるウェットリースなどがあります。
これらは旅客機を乗り物として貸し出すのではなく、金融商品として扱い
それを運用する形となっており、現在では広く使われるようになっています。
このように航空会社は自らのビジネスモデルをもとに、どのようなリースにするか
もしくは自前で旅客機を新規購入するかを判断してるのです。