飛行機にはコックピットに高度計が備え付けられている。
しかし上空を高速で移動している飛行機が、どのようにして
高度を測っているのか、その仕組みについて見てみましょう。
■気圧を使って測る
上空を飛行している間の高度は、地上からの情報やGPSなどを使うのではなく
気圧を計測して高さを割り出しています。
気圧というのは高度が上がればそれだけ下がっていく、
という基本原理を利用して計測しているのです。
但し、気圧は場所によって異なります。
同じ高度であっても、高気圧、低気圧などの影響で変わるのです。
そのため、飛行機は飛行中の気圧を地上の管制官から随時受け取って、
高度計測の誤差を補正しているのです。
■それでも発生する誤差
気圧の変化による高度を測定し、地上の管制官から気圧情報を受け取ったとしても、
100%正確な高度を測定することができず、多少の誤差が生じます。
この誤差があると着陸時の動作に支障がでるのでは?と思うかもしれませんが、
着陸時は多少の誤差があっても滑走路を目視できれば影響は殆んどありません。
また、この誤差によって他の飛行機と空中衝突する心配もありません。
それだけ発生する誤差というのは、微々たるものであり高い技術によって
成り立っていることが分かります。
■時と場合によっては予備装置を使う
とはいえ、濃霧や激しい雨で視界が非常に悪化しているような場合は、
地面からの高度は可能な限り正確な情報を得る必要があります。
そのような場合、気圧による高度測定では正しく測定できない事が多いので、
電波による電波高度計も併せて使います。
この電波高度計は、機体から地上に向かって電波を発射し、
その反射波の戻り時間によって高度を算出します。
■高さによって計測器を変える
一般的に高度飛行の場合は気圧高度計を使い、低高度飛行時には
電波高度計を使うことでより正確な高度情報を入手しています。
■まとめ
飛行機によって今時分がどこを飛行しているのかは非常に重要な情報です。
それを正確に把握するために、高度計は無くてはならない装置です。
GPSは飛行機の位置を衛星からの情報で得ることができますが、
高さまでは分かりません。
そのため、高度についてはGPSを使うことができないという点からも、
気圧や電波を使った計測が必要になっていると言えます。