2007年3月以降、国際線に乗る際の液体持ち込みが厳しくなりました。
これは2006年8月にイギリスで起こった航空機爆破テロ未遂事件がきっかけで、
その際に液体の爆発物を機内に持ち込んでテロを企てたことに起因しています。
その後、液体、ジェル状、エアゾール状のものも含めて
機内への持ち込みルールが厳格化されました。
ではどのような制限が課せられ、その後どういう経緯で緩和されてきているのか
詳細に経緯を含めて見てみましょう。
■100ml以下の容器で透明袋に収納すべし
液体などを機内に持ち込む際には、1つ1つ以下のルールを厳守しなければなりません。
・100ml以下の容器に収納
・再封可能な透明袋に入れる
この2点を守れないものに関しては、その場で没収され捨てられます。
例えば普段使い慣れている化粧品や、薬剤なども例外なくこのルールを守らなければならず、
不便であるとの指摘は数多く上がっています。
■乗り継ぎも同じ
例えば出発地の免税店で購入した酒類やドリンク、化粧品などで
100mlを超えるものを持っていると、当然ながら没収の対象となります。
ここで疑問が生じるのですが、免税店で販売しているものを
どうして機内に持ち込んで入国できないのか、ということです。
免税店で爆発物を購入するなどということは非現実的ですし、
そもそも空港が免税店をチェックしておくべき事案ともいえます。
しかしそういった矛盾がありながらも、成田空港では年間に没収される
免税品は500点を超えるとされています。
■納得できない矛盾点を緩和で対応
免税店で購入したものなのにどうして持ち込めないのか
というのは当然の主張であり、乗客と検査員の間では押し問答が繰り広げられてきました。
そういった事態に対応するため、2014年3月31日から海外からの乗り継ぎ客に限定し
一定の条件をクリアした場合のみ持ち込めるように緩和しました。
その条件は以下の通りです。
・乗り継ぎであること
・国際基準で統一された免税店共通の袋に密封されていること
・一度も開封されていないこと
この条件を満たしていれば持ち込み可能となりました。
正直、緩和というには残念な内容だと言わざるを得ない印象がありますが、
それでもこのルールを守れば免税店での購入品は没収されなくなったのです。
■そもそも論としての対策
そもそも液体状の爆発物が問題なのであって、単なる液体であれば
実害がないのは自明の理だと言えます。
それを液体=危険というひとくくりにしていることが問題ではないかと思います。
本来であれば爆発物かどうかという検査を行うべきでしょう。
その指摘を受けて最近では新たな検査法が導入されており、液体に含まれている
爆発物などの成分を検知できるようになりました。
従来はガソリンなどの可燃物しかチェックできなかったのです。
今後はさらなる緩和がされるかもしれません。
危険となれば一律で規制することが一番手っ取り早いので、
このような対応になってしまうわけです。
本当に迷惑な話でしかありませんね。